証券ビュー

企業レポート

1Q飛ばす  エイケン  1月15日 (2015.01.14)

地元のエールがこだま 

円安と原油安で高品質が決め手

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エイケン工業(7265・JQ)は活況。前期3Qから尻上がり。1Q飛ばしている。円安の定着で輸出が予想以上に拡大。数量と品質確保に追われているためだ。欧州(前期18%増収)、アジア(同3%増収)ともに続伸。これまで日本製、円建てで通し直近海外2期連続ピーク更新。国内(同7%増収)も健闘している。前回述べたように、同業者、商社、石油元売り、SS卸、系列メーカーなど多くの販路を持ち、純正メーカーの攻勢やスタンド減少、セルフ化など構造的な伸び悩みを吸収。株価もリーマンショック前の水準に戻した。1月15日、自己株式100万株(13.9%)を消却し新たなステップ。銀行や石油元売り、スタンドなど業界再編のほか、燃料電池車や水素スタンド登場に備える構え。一部トヨタグループの外注をこなしている。国内では付加価値の高い大型車用フィルター、既存品と一線を画した高性能フィルター、プレス部品の拡販が焦点。急激な円安と原油安で価格競争が限界に達し、国内外品質が決め手になった。同社の場合、金型、プレス加工、最終組み立て、梱包まで一貫生産。新製品の立ち上げの早さで知られ、13年1月稼働した第7工場の西側2000㎡に新棟が完成するともう一皮むける。前期反転した燃焼機器も新たな手掛かり。営業精通者を顧問に迎え、既存バーナーや熱交換器(ヒートポンプ)拡販のほか、新型バーナー開発にも意欲。1976年から40年ノウハウが蓄積され、01年東邦ガスと共同で省エネ大賞、02年技術賞を受賞したフライヤーが語り草。前期売上高2億9600万円(3.8%増)計上し復活のきっかけをつかんだ。高品質・低コスト生産体制の確立が課題という。今年、上昇運の大きなうねり。早馬社長(58)も転機を迎え腕まくり。幸先よく飛び出しただけに、1Q発表(前期3月6日)が楽しみだ。

2015年10月期(非連結)は、売上高51億円(横ばい)、営業利益3億1100万円(4.7%増)、経常利益3億3100万円(3.7%増)、純益2億800万円(2.4%減)の見通し。配当は期末15円を据え置く予定。設備投資3~4億円(前期1億3800万円)の計画。機械更新、自動化の余地を残し新工場も視野に入った。今年は世界中混乱が伝えられヘアピンカーブ。無事乗り切ると今世紀主導権を握るといわれる。04年に榛原郡御前崎町と小笠郡浜岡町が合併し市制を施行した御前崎市。同社が設備投資や雇用増で市の発展に貢献していることに感謝。助成金や補助金のほか、毎年石原市長が来社し謝辞を述べている。2011年5月から原発の運転停止。リーマンショックを乗り越えた同社に地元のエールがこだましている。

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