反転につぐステップ
日系メーカー世界生産に対応
今仙電機製作所(7266)は復調。ピッチが速い。昨年10月26日上方修正し、3Q以降慎重だけに予想以上。4Q直線コースに入った。連結売上高の半分を占めるホンダをはじめ自動車メーカー大手の業績回復に呼応するもので、8日発表した3Q連結累計の進捗率売上高76%、営業利益で84%。材料高が気になるものの、米長期金利上昇から円高一服とみられ、再上方修正も考えられる。事実、ホンダの予想連結純益は通期リーマンショック直前のピークに対し88%まで戻す見込み。同社の場合同率で34億円になり、前期の反転につぐステップ。今後年央に米国テネシー、11月にタイアユタヤ、来年中に中国武漢の新工場も相次ぎ稼働する見通し。それぞれ第2生産拠点に相当し、日系メーカーの世界生産に対応する。07年立ち上げた九州イマセン、次世代岐阜工場を足場に広州、タイ、インドを結び中国・アジア戦略を展開。もう一皮むけそうだ。2012年(創業80年)が2度目の事業確立期。今年の社運を調べると、夏場過ぎに上昇気流入り。計画したり望んでいたことが80~90%叶うという。リーマンショックを契機に緊急避難を通じてグローバルな軌道修正。2011~12年が最大の見どころになりそうだ。
3Q連結累計は、19%増収、61%営業増益、50%経常増益、62%増益。海外がざっと4割占めるが、過半になると収益構造も変わってくる。アジア、中南米、中近東、アフリカなど新興国の市場拡大が焦点になっている。11年3月期(連結)は、売上高833億円(12%増)、営業利益63億円(21%増)、経常利益58億円(9%増)、純益34億円(11%増)と昨年10月26日の修正通り。3円増配し20円配当(期末11円)の予定。前期4Q飛ばしており、決算発表(昨年5月7日)が楽しみだ。10日1339円の戻り高値をつけ、昨年4月の1615円をうかがう動きになっている。