1、2Qピーク更新
プラットホーム再構築軌道入り
日東工業(6651)は連結続伸。1、2Qピークを更新し3、4Q次第に加速。グループ経営が緒についた。2013年1月、サンテレホン、タキオン、南海電設を子会社に2年。メーカーがネットワークインフラとマーケティング機能で結ばれプラットホーム再構築。3年目を迎え軌道に乗り始めた。昨年6月から佐々木社長(58)に若返り新体制。業界大手の配電盤をはじめ、キャビネット、遮断器・開閉器、パーツ・その他既存事業も活気を取り戻した。今期、配電盤関連製造事業807億円(8.1%増)、情報通信関連流通事業245億円(1.0%増)、工事・サービス事業28億円(22.4%増)の見込み。前半計画を上回ったが、後半慎重で期待をもてる。190億円(前期160億円)といわれる太陽光発電関連がリード。2年前、名古屋工場から菊川工場に生産集約し新規投資なしにやってのける。昨年12月8日2500円をつけ、8年振りリーマンショック前の高値を抜いた。1株当たり連結純資産709億円に対し時価総額1012億円。予想PER13倍のレベル。昨年暮れの総選挙を境にアベノミクス後半が焦点。2017年4月、消費税10%に向けて景気テコ入れが予想される。昨年2月からキュービクル(高圧受電設備)の輸送をトラックから鉄道に切り替えモーダルシフト。専用コンテナによるもので、東日本(中津川)に続き西日本(唐津)も追随の運び。当初、半年でCO₂を8割以上削減し経産省からグリーン物流優良事業者表彰(特別賞)を受けたほか、同積み込み作業も8割以上省力化。むしろ、ドライバー不足から経済合理性に踏み込んだ。1997年稼働した花巻の東北日東工業(連結子会社)も明るい材料。11億円投入し増築、6億円かけて塗装設備を更新し配電盤増強。来年3月本格稼働の計画。昨年12月25日、圧倒的な低価格で家電ごと電力消費を一瞥できる新型HEMSホーム分電盤発売も意欲的なもの。年1万台を目標に6月納入開始の予定。一方、プラグインハイブリッド車や電気自動車向け充電システム発売を延期したが、1台の認証機で最大10台接続できるなどノウハウを蓄積。今後、用途に応じて車と家を織りなす提案を呼びかけるという。豊田自動織機(6201)とタイアップし手ごたえを感じている。
2015年3月期(連結)は、売上高1080億円(6.7%増)、営業利益125億円(8.1%増)、経常利益同(9.5%増)、純益73億円(2.1%増)と従来通り。さらに2円増配し56円配当(期末28円)の予定。設備投資39億円(前期32億円)の計画。1月30日3Q発表の見込み。強含みとみられる。昨年後半上昇運入り。今年から3年追い風が吹くという願ってもないポジション。懸案の中国、タイで実績を積むと「内弁慶」な体質がほぐれる。4月にタイ(バンコク)で内資型販売会社を設立すると発表。08年の生産子会社以来7年振りステップアップ。これから3年楽しみだ。特に15年、主導権を握ると中長期見通しも明るい。