3、4Q反転待ち ヨシタケ 1月6日 (2015.01.05)
YWT2Q黒字転換
国内の設備投資動き出すと本物
ヨシタケ(6488・JQ)は反転待ち。3、4Qに持ち越した。昨年10月28日の下方修正によるもので、伸び悩む国内の設備投資と消費増税の影響が主因。新興国市場も計画を下回り、連結持分法収益(2Q累計連結9300万円)と為替差益(同8200万円)の拡大が救い。厚生年金基金の特例解散方針決議に伴い、1億9000万円退職給付費用を計上。同営業赤字(同5400万円)で折り返した。しかし、一昨年10月稼働したYWT(ヨシタケ・ワークス・タイランド)が2Q黒字転換。タイを足場にマーケットに精通した営業活動、海外調達、生産性改善など反転目前の感触。3Q発表(1月31日の予定)が楽しみだ。今後、国内で地元名古屋駅前再開発、東京五輪、リニア関連需要が見込まれるほか、海外でも連結子会社と持分法適用関連会社を通じて米国、アセアン中心に設備投資のうねり。2014年(70周年)を節目に15、16年国内、海外挙げて一皮むけそうだ。ちなみに、名古屋駅再開発。2027年リニア開業を踏まえ名鉄、近鉄、三井不も50~60階建て超高層ビル建設に意欲。総事業費約2000億円という。15~16年度にかけてJPタワー名古屋、大名古屋ビルヂング、JRゲートタワー、さらに「新・第2豊田ビル」など続々完成の見込み。今年戦後70年を迎える上、日本列島改造で沸いた1970年代から40年を数え、道路や橋梁、上下水道、ガス管など国土が基盤インフラ等更新に差しかかるのも支援材料。円安と原油安が進み、在庫調整一巡から設備投資が動き出すと本物だ。直近の連結1株当たり純資産91億円に対し時価総額42億円。1990年のバブル当時に匹敵する大幅な水準訂正も考えられる。リーマンショック後、2011年の東日本大震災に次ぐタイ洪水、その後も極端な円高が否応なく同社の連結経営を鍛えた。一転して円安と原油安。相殺を加味してもこれからリターンが大きい。06年トップが若返り9年目。13年に24年振りYWTが「海外本社」に生まれ変わり15~17年上昇運。山田社長(45)も同運だけに期待をもてる。
2015年3月期(連結)は、売上高61億5000万円(1.9%増)、営業利益5000万円(53.7%減)、経常利益4億2000万円(3.0%増)。純益3億4000万円(48.8%増)に見直した。1円復元し期末配当21円の予定。設備投資1億円(前期10億円)未満。清算完了まで退職給付費用が若干残る見込み。70周年記念がユニーク。昨年2月、バンコクでYWT新工場完成披露に取引先数十社を招きアピール。4半世紀、商社や代理店任せの営業が一変した。東南アジアが急ピッチで好転。国内が息を吹き返すと面白くなりそうだ。