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企業レポート

4Q直線コース  岡谷鋼機  1月1日 (2014.12.30)

10年スパンの案件ずらり 

1兆円挑戦プロジェクト動き出す

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岡谷鋼機(7485)は3Q連結よし。4Q直線コース。5期連続増収増益の見通し。中期計画≪Gih―15≫(ジー・ダッシュ・フィフティーン)、2011~15年度成長戦略によるもので、前期連結最高純益102億円(2015年度目標100億円)を計上し今期更新目前。同海外取引も31.2%(同30%)に達し、連結売上高1兆円が未達。このため、来期ターニングポイントとみられる。予想される次の中期計画(5年計画なら2016~20年度、2019年に創業350年)成長戦略でさらなる飛躍を目指す。主力の鉄鋼、情報・電機、産業資材、生活産業4セグメントに、従来の常識を破るプラスαが手掛かり。技術革新と人材育成に傾注しており、2015年度が鍵を握りそうだ。円安のほか原油安、鉄鉱石や石炭安など在庫調整を受け、今後鋼材の値下げ圧力が気になるところ。1971年のニクソンショックから40年続いた円高、1973年の石油ショックから同じく40年続いた原油高の反動が重なり逆回転。時代の過渡期を迎えた。同社は、直近5期連結ベースで自己資本比率17.8%(1株当たり純資産1366円)が31.2%(同2638円)に改善。前2月期の連単倍率も売上高1.38、営業利益1.93に厚みを増した。しかし、連結純資産1346億円に対し時価総額僅か700億円。市場は鋼材値下がりと世界デフレを懸念している。連結売上高のうち自動車関連が25%以上、土木・建設・住宅建築も20%前後とみられ影響が大きい。その点、国内34・海外37の子会社と連携。加工を通じてものづくりを後押し。2014年9月にメキシコ現法を設立した一方、15年1月には中国広州現法の武漢支店を開設し大手自動車メーカーの期待にこたえる構えだ。ポーランド現法(従業員約270人)が液晶から自動車関連に切り替え立ち直ると一皮むける。1964年、東京五輪・新幹線開通の年に米国現法を設立し海外のキャリアも長い。政変が伝えられるタイ現法も設立から40年を数え現在稼ぎ頭。びくともしない。この上、インドネシアで成功すると人口がタイの4倍、ジャカルタにアセアン本部があるだけにインパクトが大きい。当面、メキシコが目玉という。そこで、2014年11月5~8日、ポートメッセなごやで開催されたメッセなごや2014。国内外1300社、日本最大級といわれ、同社の出展した取扱関連商品やデモンストレーションが興味深い。ものづくりの革命・3Dプリンターの実演、完全閉鎖型陸上養殖システム、オランダ式農業・アグリビジネス、航空機産業に向けた取り組み、建設現場省人化システム。さらに、水素製造用改質触媒を通じて次世代水素アイテムの提案など10年スパンの案件ずらり。このうち、航空機と水素、ロボット関連ビジネスが同社の新しい顔になりそうだ。2015年は、国内でこの三つのプロジェクト。海外ではメキシコ立ち上げが急務という。これまで345年、コツコツ本業に専念し時代の変化に適応してきた挑戦の歴史。現実に動き出した。

2015年2月期(連結)は、売上高8000億円(7.5%増)、営業利益150億円(7.0%増)、経常利益170億円(1.5%増)、純益110億円(7.4%増)と計画通り。実現に全力を挙げる。配当は期末75円の予定。期中9月1日を効力発生日として5株を1株に併合し実質増配。設備投資22億円(前期29億円)に変わりない。2015年も上昇・安定運が続き岡谷社長(70)も同運だけに前半が見どころ。航空機、水素、ロボット関連プロジェクトのほかメキシコからホットな材料が届きそうだ。昨年12月26日、格付投資情報センターが発行体格付けをトリプルBプラスからシングルAマイナスに引き上げた。

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