来年見ごたえ マルサンアイ 12月15日 (2014.12.15)
予想以上の滑り出し
ドミー岩津店に特設コーナー
マルサンアイ(2551)は好調。予想以上の滑り出し。踊り場を抜け出しそうだ。国内でスーパー9割、業務用1割といわれながら、海外、通販、webなど販売チャンネル拡大。現在、悪いところがないという。これまで、3年、豆乳成長(前期最高)とみそ再構築(同黒字転換)の仕込みが利いてきた。過去40年高騰した円、原油相場が逆回転 。今後、世界的なデフレが予想され、日本では燃料電池や水素発電の時代といわれる10年。円安相殺でも原料大豆や電力料金の値下がりが見込まれるが、海外で遺伝子組み替えの作付が増加。非組み替えの確保が難しいのを主因に慎重だ。そういえば、前期豪州事業の和解金で保険金差し引き1億300万円特損に計上した。豪州が訴訟社会のほか、鉄鉱石や石炭など資源価格下落を受けて歳入悪化。緊縮財政に国民の反発が高まっているのに通じる。同社の場合、今年6月タイ3大財閥サハグループの1社でサハチョール社と豆乳の技術指導・ライセンス契約を結んだのがとっておき。2年前トップ来日で声がかかり、6月下旬から3種類現地生産。「甘い」といわれる喉越しを「うまい」に変えた。タイは豆乳の年間消費量約70万kℓ(日本の3倍)で世界2位といわれ、2011年中国上海に合弁で販社を構え順調だけに、モノにするとアセアンにも市場が広がる。今期は海外売上高13億1100万円(8%増)の計画だが、タイで10%以上シェアを握ると弾みがつきそうだ。弾みといえば、豆乳グルトが3年で5000万円から1億円ペース。アーモンドミルクも200mlのほか1ℓサイズを投入し、前期4億円から今期10億円の予定。12月2日、本社前国道248号線沿いにドミー岩津店オープン。スーパーを核にドラッグや喫茶、美容院、回転寿司など。対面にも飲食店が軒を並べ岡崎北部と豊田南部を結ぶ「オアシス」誕生。近隣の様相が一変した。翌週喫茶や寿司、来年1月ドラッグもオープンし本格化の見通し。同社は産直の極み。出来立てのみそ、豆乳など主力製品が特設コーナーに勢揃い。全国のスーパー唯一の試みという。人口6万2000、2万1000世帯の商圏といわれ、トヨタが元気だけに楽しみだ。このほか、子会社・持分法関連4社も徐々に改善している。
2015年9月期(連結)は、売上高234億7400万円(5.9%増)、営業利益3億7900万円(40.6%増)、経常利益3億6500万円(15.5%減)、純益2億5600万円(47.5%増)の見通し。配当6円を据え置く予定。設備投資6億9900万円(前期4億7500万円)の計画。1ヵ月600gを基準にダウンサイジングしたみそが機械化を支援に黒字転換し、今期生みそ41億2400万円(6%増)の見込み。豆乳は132億6100万円(1.4%増)に自重している。みそで業界4位、豆乳では同2位。いいポジションにつけている。昨年1月15日、本社みそ第1、第2工場が統合し本格稼働してから締まってきた。今年後半から上昇運。来年以降追い風が吹く巡り合わせ。2013年8月の600円を抜くと05年の上場来高値810円が視野に入る。9月から1年、30億円の協調融資契約を結び前向きな印象。来年、見ごたえがある。