地産地消に特化 ドミー 12月16日 (2014.12.16)
次の100年スタート
トップ交代しマスタープラン実現
ドミー(9924)は反転。8月27日から新体制稼働。3期振り増収増益の見通し。19年ぶりトップ交代によるもので、4月に食品スーパー転換の口火になった「上地店」(1986年開設)を閉鎖。12月に店舗開発で創業100年の集大成といわれる岩津店新設。来年1月には同ショッピングセンター全体が本格稼働するためだ。1、2Q採算が改善し3、4Qパワーアップ。次の100年にスタートを切った。初日から予想以上という。前回述べたように、1913年愛知県西尾市の梶川呉服店がルーツ。百貨店の三越(創業1673年)、スーパーのイオン(同1758年)も呉服がルーツ。日本の小売業の顚末を物語っている。次の100年、アフリカが市場化し世界の工場になると資本主義がなくなるといわれ、前半の10年がポイント。岩津店の印象が前世紀の集大成なら、オープン翌日から陳腐化が始まる。そうでなくて、トヨタ(7203)が元気なうちに10、20年後の水素社会を先取り。関連企業が多いため、燃料電池車や水素スタンドを支援できるような店舗をつくると受ける。岡崎北部と豊田南部が商圏で人口6万2000、世帯数2万1000といわれ、10年来地権者の調整が難航。交差点やバス停の移動など厄介な行政手続きの末に同社が落札した物件。同社(552坪)を中核にスギ薬局(253坪)、スシロー(113坪)、元町珈琲(同)、美容院やペットショップなど相当な集客効果が見込まれる。同社は2日オープンし翌週飲食店、来年1月ドラッグストアが続き本格稼働の見込み。投資額6億円、年商13億円。出店企業計22億円の計画。地元の岩津と天神町の半径2キロ以内がメインで豊田から見ると天神橋を渡るかどうか焦点。同社は比較的近い百々(どうど)、稲熊店も影響が小さいという。梶川社長(46=5代目)は高品質・低価格の2本柱。地元に特化し生鮮三品の肉・魚・野菜挙げて地産地消に取り組むという。ボリュームゾーンを目指すもので、知多和牛、幸田や吉良の豚肉、三河湾にこだわった鮮度のいい魚介類も一例。他社に品質、コスト競争力でも負けないという。岩津店を含め34店舗。1995年開設した岡崎食品加工センターが目玉。精肉や水産物加工、野菜や果物など集中処理するほか、同センターから各店舗1時間以内に配送するドミナント方式を採用。東名・岡崎インターに近い大平町を拠点に来年で20年。黒字転換して3年目といわれ推定稼働率75%。周囲に物流センターを構え、将来50店舗体制を確保した。今後10、20年伸び盛り・収穫期とみられ絶好のポジション。08年2月物故した前名誉会長のマスタープランを実現するため登板した印象。トヨタが元気なため、近隣に新規参入が引きも切らず、岩津店の長谷店長は最高の人材という。
2015年5月期(連結)は、売上高346億6700万円(2.4%増)、営業利益3億900万円(30.2%増)、経常利益2億9700万円(10.8%増)、純益1億6000万円(倍増)の見通し。配当10円(中間5円)の予定。設備投資9億円(前期8億4000万円)の計画。来年2月から本格的な上昇運。追い風という。岩津店の特設コーナーを受けてマルサンアイ(2551)が感謝しきり。出来立て、産直のほか何かとエール。10年で既存店のリニューアルが一巡するだけに、加工センターの稼働率が10%上がるだけで様変わりになる。