前向きな材料多い 名古屋電機 12月4日 (2014.12.03)
3、4Qきっかけ待ち
解散・総選挙となり後半流動的
名古屋電機工業(6797)は復調。前期反転し今期底固め。3、4Qきっかけ待ちだ。10月28日の上方修正によるもので、主力の情報装置が売上高46億6500万円。14.8%増収(16.2%減益)で折り返し後半次第。大口のほか小口案件もこなし採算確保が課題という。一方、検査装置は6億2500万円。23.1%減収(営業損失8100万円)と出遅れ。今期16億円の計画で追い込みにかかっている。ちなみに、得意先の中日本高速道路。景気回復や震災復興、円安など建設費の高騰で入札不調。2013年度全体の4分の1に達し、14年度先送りが目立つ。国土交通省も似たような経過。消費税10%延期、解散・総選挙となり後半流動的。発注遅れも考えられる。このため、通期計画通り。来年2月6日3Q発表を予定しているが、4Q需要期で年度末集中に拍車がかかり、来期に持ち越す公算もある。増税を前に15、16年度景気対策が見込まれるほか、20年度東京五輪に向けて追い風が予想されビジネスチャンス。デフレに差し込まれると縮小均衡を迫られる。その点、日本人研究者の青色LEDノーベル賞受賞に関連し、10月9日名古屋TVで同社のLEDを使った道路情報板が紹介された。1982年に国内初の赤・緑色LEDを採用し名阪国道工事事務所に納入。その後、赤・緑に加え青搭載により白を含む様々な色の道路情報板が新東名高速道路中心に全国各地で稼働している。また、10月10日インドのアーメダバードでゼロ・サムと組んだITS実証実験を開始。現地でメディアが大きく伝えた。道路情報板4基、画像カメラ14基で来年3月までテスト。来期から合弁事業(28.8%出資)が動き出す。11月20日「ハイウェイテクノフェア2014」(東京ビッグサイト)でも同社ブース通常3コマ分。車の走行を促す表示板が人気を集めた。さらに、7トンある3次元X線自動検査装置が海外大手半導体メーカーの採用を受けて高い評価。追加受注も考えられる。最近前向きな材料が多い。社運を見ると、来年プラス方向に大きなうねり。干場社長(66)も3年盛運だけにどんな風が吹くか楽しみだ。
2015年3月期(非連結)は、売上高147億円(2.8%増)、営業利益1000万円、経常利益同、純益0の見通し。期末5円配当を据え置く予定。期首79億円繰り越し、2Q末受注残94億円。うち43億円工期が長いといわれるが進行基準。前期反転し今期底固め。3、4Qきっかけ待ちに変わりない。動き始めた桑名のLED照明機器「新工場」が気になる。目を離せないところだ。