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企業レポート

反転続くアイカ 11月16日 (2010.11.16)

タイムリーな新体制

ファインケミカルに意欲

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アイカ工業(4206)は堅調。2Q連結累計、予想以上の折り返し。通期でも計画を上回る見通しだ。3Q以降も反転が続いている。6月スタートした新体制によるもので、5月7日述べたように増収次第で予想外の増益。住宅着工や設備投資がまどろむ中、化成品、建装材、住器建材、電子4部門そろってリバウンド途上。業界トップのメラミン化粧板、ジョリパット、アイカセラール中心にシェア上昇が見込まれる。既存事業のほか自動車や家電向け接着剤、前期約30億円にとどまった海外市場の開拓が中期計画の骨子。4月30日に連結売上高1000億円、経常利益100億円(13年3月期)を表明したが、事実上ピークになったリーマンショック直前のレベル。今後はコアの樹脂技術がもたらした建装材メーカーから脱皮。ファインケミカル(精密化学)に意欲を見せる。その点、中国の昆山工場増強が手がかり。太陽電池向け接着剤や携帯の保護膜、さらに自動車ライトのプラスチック部品を車体に固定する接着剤。同社の接着剤は耐久性に定評があり定温で固まるのが特色。中国の売上高は約10億円といわれ、マレーシア、インドネシアとの生産拠点連携につながると海外が伸びる。

2Qの連結累計は、8%増収、21%営業増益、19%経常増益、同増益。4期ぶりバランスを取り戻した。住宅着工、設備投資の底入れが主因にしても、タイムリーな新体制と決意表明も見逃せない。11年3月期(連結)は、売上高870億円(7%増)、営業利益83億円(12%増)、経常利益85億円(11%増)、純益49億5000万円(同)に見直した。当初予想に1、2Qの「貯金」が乗ったもので慎重な姿勢を崩していない。配当は30円(中間15円)を据え置く予定。環境配慮型商品が9割を占め、イメージも浸透してきた。2016年(80周年)にかけて2度目の事業確立期。来年は乱気流が起きやすいという。そちこち繰り上げて手を打っている。

 

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