PBR0.51倍 シロキ 12月2日 (2014.11.28)
今、来期の仕込み次第
計画線で折り返し3、4Q強含み
シロキ工業(7243)は堅調。1Q予想以上2Q一服。3、4Q追い込み、計画を上回る見通し。ローリングプラン(2012~16年度)後半が注目される。海外売上高50%(2Q累計連結32%)を目指すもので、前半出遅れただけに今、来期の仕込みが鍵。中でも、昨年立ち上げタイを抜くとみられるインドネシア工場、テクニコとの合弁事業を見直し出資比率50%以上に引き上げるインドのプレス部品新工場が焦点。前者がルピア、後者はマルチ・スズキとどう折り合いをつけるか興味深い。米国が確りで中国、タイも利益の出る体質に改善。償却負担をこなし2、3年後脱皮が見込まれる。2010年11月、トヨタ(7203)が東急(9005)に代わり筆頭株主になって4年。持分法適用となり締まってきた。事実上無借金だが、国内再構築、海外現地対応急ピッチ。ビジョン2021(22年3月期)を掲げトータルで回り出す仕組みだ。昨年から円安が定着。来年120円台が視野に入り、懸案の国内700億円で利益を出す体制に見直し余地。今期730億円の計画で悩ましい。2Q累計連結を見ると、6.1%増収のうちドアサッシが71.7%しめ、しかもトヨタ系69.5%によるもの。トヨタはハイブリッドで成功し燃料電池車でも先駆しただけに、主力のウインドレギュレータ、シートリクライナー・シートアジャスタ、ドアサッシなど技術開発で追随すると面白い。東レ(3402)の炭素繊維が自動車にも採用される時代。ローリングプランを実現しないとビジョン21が画餅になる。その点、ロック機構を内蔵したシートレールの採用拡大。前回紹介したPSV(適地適量)と呼ばれる新ライン投入も新たな手掛かり。前者が小型・軽量化により重量15%、強度50%、コストも10%改善したといわれ、後者は国内外で需要変動に対応できるため、小回りが利きコスト競争力も高まる。今期の設備投資62億円(前期53億円)で計画通り。来期50~60億円という。国内も20、30年といわれる生産設備を更新すると体質が一変しそうだ。
2015年3月期(連結)は、売上高1210億円(3%増)、営業利益27億円(同)、経常利益24億円(26%減)、純益16億円(2%減)と従来通り。配当5円(期末3円)を据え置く予定。2Q22.8%営業減益になったが、納期の長いシート関係の部品2億3400万円を評価損として計上したもの。計画線で折り返し3、4Q強含みだ。今年、来年調整運に相当し仕込み一色。来年から松井社長(59)が上昇運に入り心強い。トヨタが筆頭株主でPBR0.51倍。ローリングプラン後半次第で大化けも考えられる。