後半巻き返す 武蔵精密 11月26日 (2014.11.25)
ホンダ国内調達シフト
リーマン吸収し再び伸び盛り
武蔵精密工業(7220)は反転途上。連結計画線の折り返し。通期下方修正した。「フィット」5回リコールに伴うホンダ(7267)の下方修正が主因。ホンダはグループ全体の世界販売台数を483万台から462万台に引き下げた。このため、日本(2Q連結累計66.8%営業減益)のほかインド、ブラジルも苦戦しているが、北米が堅調な上、欧州、タイ、インドネシアなどほぼ予定通り。後半巻き返す見通し。1ドル118円前後の円安(基準レート103円)が手掛かり。来年120円台といわれ、ホンダが部品を国内調達にシフト。採算の改善が見込まれるためだ。同社の場合、海外13ヵ国25の生産・営業・物流拠点。ホンダグループ向け約8割。現地通貨取引が原則で為替変動に馴染まない。しかし、マザー工場といわれる国内5工場が集約に向かう中で円安に振れ適応先決。意思決定が早いだけに期待をもてる。前回述べたように、今期の設備投資連結210億円(償却116億円)の計画。08年(創業70周年)を節目にリーマンショックを吸収し再び伸び盛り。昨年6月稼働したインド第2工場、今年1月のメキシコ工場が10、20年後の布石。今、来期の仕込みが伏線とみられる。定額に変更した償却負担の関係で2、3年後利益が表面化すると述べた。第12次中期計画に盛った連結売上高1800億円、営業利益率8%が当面の目安。今年と来年調整運だが、ホンダが今年後半、大塚社長(49)も来年から本格的な上昇運。逆風が順風に変わる。来年春、若手育成に社員寮を更新。2020年にかけて英語を公用語に採用するなど国内外グループの意思疎通迅速化に意欲。ホンダをはじめ世界の大手自動車メーカーと渡り合えるのが魅力だ。ギアとシャフト中心に四輪6割、二輪4割の構成。創業のルーツが航空機(気化器)だけに、戦後ミシン部品を口火に自動車部品で開花した経緯に見どころ。ホンダが空を飛びたがっているように、将来航空機が新たなフロンティアになるかもしれない。独創的な発想と技術でパワーを価値に転換するのが同社のグローバルなブランドスローガン。今、来期が10年後を左右しそうだ。
2015年3月期(連結)は、売上高1570億円(5.5%増)、営業利益105億円(23%増)、経常利益100億円(4%増)、純益60億円(12%減)の見通し。2円増配し48円配当(中間24円)の予定。数年後にピーク(08年3月期の売上高1613億円、営業利益165億円)をとらえリーマン越え。先進国の排ガス規制、低燃費化、トランスミッション次世代化と新興国の市場拡大がテーマになる。国内の工場集約も不可欠。トップが若く海外にも明るいだけにやってのける。