年度末尻上がり カネソウ 11月20日 (2014.11.19)
生産性上げるのが課題
主張せず機能満たし高い評価
カネソウ(5979)は堅調。リーマン越え途上。上昇トレンドに乗った。首都圏中心に建設工事が底堅く、今期も年度末にかけて尻上がり。五輪を控え来、再来期続伸が見込まれる。雨水排水・防水関連、外構・街路関連、防災関連商品がリード。受注の際に厳しい価格対応や材料高、電力料金などコスト上昇が泣きどころ。国交省の建設工事受注動態統計によると、昨年9月をピークに反動減。入札不調が多い。しかし、昨年から明らかに右肩上がり。生産性を上げるのが課題という。このため、レーザー加工機や自動倉庫など設備投資に意欲。持ち越しを含め今期4億円前後(前期2億5200万円)だが、まとまると来期以降大規模になりそうだ。12億円投入した鋳造ライン以来のこと。2Q累計(非連結)は、7.4%増収、37.4%営業増益、70.9%経常増益、58.8%増益。予想を下回った。しかし、製作金物が18.6%増(前期12.4%増)と高い伸び。鋳鉄器材も3.4%増で折り返した。一部在庫評価損を立て、初の為替差益(外貨預金)を計上。鮮度よし。3、4Q追い込み通期計画通りだ。10月18日開催された2014都市環境デザインモニターメッセで、同社のU字溝用スリット蓋が第2回JUDIパブリックデザイン賞の製品部門「大賞」を受賞。自ら主張せず、必要な機能を満たしながら都市環境デザイン向上に貢献するというコンセプトが高く評価された。同社は特許出願が多く、総合カタログに掲載されるアイテム6000種以上。現在約700ページ、毎年10万部程度発行され、同業他社と一線を画している。創業100年(2022年)まで8年。桑名の鋳物が藩主本多忠勝以来、機械鋳物も明治36年(1903年)から100年有余の伝統産業。現在30社といわれ、次の100年を迎える過渡期。2020年の東京五輪がターニングポイントになりそうだ。
2015年3月期(非連結)は、売上高84億円(8%増)、営業利益7億3000万円(46%増)、経常利益6億8000万円(52%増)、純益4億2000万円(56%増)に修正なし。配当15円(中間7.5円)を据え置く予定。実現すると、リーマン越え目前。2014年から5年上昇運だけに期待をもてる。近藤社長(58)も再びチャンス。むしろ、解散・総選挙により消費税10%が2017年4月以降の見通しとなり追い風。デフレ脱却が現実になれば、1株当たり純資産(964円)が見直される。財務抜群で次の100年が気になるところだ。