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企業レポート

需要期を迎え緊迫  木曽路  11月21日 (2014.11.20)

措置命令受け手を打つ 

事態重く受け止め失地回復に一丸

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木曽路(8160)は不覚。8月中旬以降、「木曽路」既存店の来店客数が約8%減少。10月しゃぶしゃぶ祭を自粛し10%以上。年末・年始最大の需要期を迎え緊迫している。「木曽路」3店舗(9月末118)がメニューと異なった食材を使用し、不正表示販売の影響が尾を引いているもの。10月15日、消費者庁の景品表示法に基く措置命令を受けて違反した事実を一般消費者に周知徹底。再発防止策を講じ役員、従業員に周知徹底。今後、同様の表示を行わない旨手を打った。このため、入り始めた年末・年始の予約が焦点。社内処分やコンプライアンス委員会設置を通じて3、4Q困難を乗り切るのが先決。役員、従業員の誠意が現場を通して来店客に伝われば通期黒字を確保。来期復調につながる。赤字が続けば新たな対応が必要になる。2014年から6年遡り前例を調べたが該当なしという。昨年秋から中国産米混入や牛脂注入加工肉、ロブスターを伊勢エビと表示するなど中部地区でも食材の表示違反が続出。同社は表示に気を取られ、支出を調べなかった模様。むしろ、渦中の料理長より役員に責任がある。役員、従業員すべて事態を重く受け止め、失地回復に一丸となったのが収穫という。3Q発表(前期1月30日)を通じて黒字転換すればよし。赤字が残ると努力が足りないことになる。底力を見たいものだ。前半善戦したのが「とりかく」(3.1%増収)、「じゃんじゃん亭」(7.5%増収)、「ウノ」(62.1%増収)。主力の「木曽路」も0.2%増収で折り返した。今期は「木曽路」の改装2、ウノ新設1にとどまりそうで、設備投資11億7900万円(16%減)に見直した。償却13億7300万円を下回る。2001年以降、BSE、飲酒厳罰、鶏インフルエンザ、牛トレーサビリティなど厄介な食品安全問題をこなしてきた。3、4Q赤字が残ると示しがつかない。

2015年3月期(非連結)は、売上高443億円(3%減)、営業利益8億3000万円(40%減)、経常利益8億7000万円(29%減)、純益1億8000万円(70%減)に見直した。配当14円(中間7円)を据え置く予定。社運は依然上昇運。来年から会長、社長も上昇運に入り踏ん張りどころ。立ち直るとすれば3、4Q。遅くても来期にかかっている。2012年(設立60年)を節目に陰から陽の10年。前回述べたように、バル業態の「ウノ」がかって「地中海」(ピーク92年3月期55億6000万円)の生まれ変わり。死中活あり。災い転じて福となす場面だ。

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