証券ビュー

企業レポート

10月31日上方修正  サンゲツ  11月11日 (2014.11.10)

第三の創業を目指す 

連結純益100%以上株主に還元

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サンゲツ(8130)は連結堅調。予想以上の折り返し。通期でも計画を上回る見通しだ。消費税引き上げに伴う駆け込みの反動をこなし10月31日上方修正。11月7日表明した中期計画(2014~16年度)に基く連結純益100%以上株主に還元が新たな手掛かり。一期約100年、二期約60年に次ぎ第三の創業を目指すもので、10日以降自社株取得110万株(上限30億円)、同消却208万9000株などROE8~10%(現在4%で東証一部平均9%)を目安に資本政策がくさび。創業家のリーダーシップで6代続いたオーナー経営から、社員一人ひとりが担う事業基盤の整備具体化。新築住宅のほかリフォーム、医療・福祉・商業施設など非住宅。さらに、新規事業、海外展開も盛り込み脱皮中。数値で連結売上高1400億円、純益63億円(2017年3月期)を設定した。来年から上昇運。安田社長(64)も同運だけにタイムリー。トップが一挙19年若返り引き締まった。前回述べたコンプライアンス(遵法)がベース。一段とオープンな印象。新体制に入り2Q連結累計4.4%増収、4.4%営業減益だが、予想より3.1%増収、28.6%営業増益。しかも、物流・人件費、設備修繕費など政策コストを9億8100万円加味したもの。減損8億3400万円計上も目新しい。主力のインテリア事業で6年振り6月に壁紙の値上げ(推定1割)が通り、床材も9月から一部値上げが浸透して採算改善。ピークの3分の1といわれるカーテンが昨年10月「Mine」の価格政策見直しをきっかけに反転。8.0%増収になった。11月26日主力見本帳を更新。高度・多様化するこだわりに応え「ソレイユ」(663点・317柄)を発行。12~14日「JAPANTEX」(東京ビッグサイト)で一部先駆けて展示する。彩りに様々な角度から工夫がうかがえる。同社の売上高は10年前まで新設住宅着工にリンクしていたが、05年サングリーン、08年山田照明を傘下に連結経営。単体のインテリアも住宅リフォーム、非住宅向け拡販により住宅着工離れ。リーマンショック以降床材中心に顕著になった。創業1849年、設立1953年から見ても次世代の仕込み。陰から陽の10年を迎えた。消費税10%に対し法案通りと受け止めているが、今、来期締まると東京五輪にかけてリターンが大きい。後半慎重だが、むしろ消費税引き上げがビジネスチャンス。円安株高、原価安も追い風と考えられる。

2015年3月期(連結)は、売上高1330億円(0.8%増)、営業利益73億円(18.5%減)、経常利益77億円(18.7%減)、純益44億円(19.4%減)に見直した。上振れした非住宅分野約50億円の増収が主因。配当75円(中間37.5円)の予定。設備投資15億円、見本帳27億円の計画。今後、資本政策の進捗次第でさらに水準訂正が見込まれる。日銀の追加緩和で20年デフレから脱却し、東証一部のPBR平均1.39(世界平均2倍)も嵩上げの気配。従来、オーナー経営から脱皮すると様変わりになるケースが多い。同社はタイムリーに決めた。

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