計画上回る折り返し ダイセキ 10月21日 (2014.10.20)
今期親会社がリード
ピーク更新を目指すポジション
ダイセキ(9793)は連結好調。計画を上回る折り返し。ピーク更新を目指すポジションにつけた。前期の子会社に代わり、今期親会社がリード。巡航速度とみられるためだ。鉱工業生産一進一退。不安定な経過にあるが、関西が持ち直し回復基調。円安、原油・非鉄安との兼ね合いから根強いリサイクル需要が手掛かり。3、4Q強含み。来期以降、2020年の東京五輪にかけてひと山、ふた山ありそうだ。これまで1年半、廃油の回収ルートが製造業のほかガソリンスタンド・自動車ディーラーなど複線化。月400klが500kl以上になり、首都圏の取扱が先行した関西をしのぐ勢い。単価が改善すると様変わりになりそうだ。廃バッテリィー回収も実績を積み、子会社を通じて鉛や銅、ニッケルなどリサイクルを確立する見通し。前期から飛び出した子会社の環境ソリューション(1712)が出色。2Q連結累計24%増収、26%営業増益で最高。来上期まで目一杯受注を抱え記録更新が続く見込み。土壌汚染調査と処理事業で伸びてきたが、前回述べたようにPCB廃棄物と廃石膏ボードリサイクルでもう一皮むける。PCBの場合、全国160万台といわれる電機製品の処分期限が2027年3月末。石膏ボードも、今後高度成長期の建築物が続々耐用年数を迎え市場拡大、要員を確保すると着実にシェアが上がりそうだ。一方、子会社MCR。延べ30億円投入し5月に新工場を立ち上げた。再生鉛処理能力5割増、生産効率倍増といわれ年内本格稼働の見込み。分別、溶解、精錬3工程こなす最新鋭機を導入し4つの生産ラインを1本化。2工場50人の従業員を自然減で1工場25人100%操業の運び。環境対策に万全を期した。今期の売上高38億円、来期40億円レベル。償却負担4億6000万円を加味すると3年で営業利益2億円が目安。生まれ変わる見通しだ。さらに、大型タンク洗浄のシステム機工がフル稼働。今期30億円(能力20億円)に上振れ。コストも上がってきたという。トータルで回り出した。
2015年2月期(連結)は、売上高450億円(7%増)、営業利益74億4000万円(2%増)、経常利益75億1000万円(1%増)、純益40億8000万円(3%増)と当初通り。配当22円(中間11円)を据え置く予定。設備投資50億円の計画。通常20億円ペース。来期以降、懸案の南関東に七つ目の事業所が具体化すると50億円レベル。連結売上高が500億円を突破すれば、事業100年(2018年に設立60年)、1000億円が視野に入る。08年2月期に計上した最高益は、当時LMEで鉛が暴騰し07年4月傘下に入ったMCRの評価益約11億円を上積みしたもの。これを差し引くと、前期連結ベースで事実上リーマンショック前に戻した。2014、15年上昇運。名実ともピーク更新を目指すポジション。円安が定着し株高も追い風とみられる。