2014年から上昇運 旭化学 10月22日 (2014.10.21)
連結反転し持ち直す
タイ生産子会社3年で黒字転換
旭化学工業(7928・JQ)は連結反転。持ち直す公算が大きい。一昨年立ち上げたタイの生産子会社が3年で黒字転換。徐々に貢献が見込まれるためだ。1、2Q金型、射出成形機を追加投入し3、4Q尻上がり。採算も大幅に改善する見通し。初年度2500万円、前期8100万円の売上高に対し今期1億8000万円の計画。引き合い旺盛なタイの日系企業が取引先で、前期稼働率が予想外に下回り、減損6億1800万円を計上しあく抜け。01年進出し06年増強して前期37億円(日本31億円)に成長した中国の生産子会社に次ぐもの。初期投資も約7億円で肩を並べ、直近2期タイ立ち上げが喫緊の課題になっていた。同社の場合、前期電動工具と自動車部品の特定得意先89.5%。同連結売上高の91.7%を占める。円安に伴い国内も仕事が回ってきたが、発注大手の国際競争が激化し利益の出ない状態。中国とインド、アセアンの窓口としてインフラ整備トップクラスのタイに第3の矢。日系延べ3200社、製造業54%といわれ、2013年1人当たりGDP5000ドルで中国の5400ドルに次ぐ水準。これまで10年、経済成長率2.7倍という。仏教と山田長政以来の親和性でお馴染みだが、ワーカーのほかマネージャークラスの人材確保が難しい。中国でも毎年約10%人件費が上昇しやり繰り算段。人材が流動的で定着に時間がかかりそうだ。1995~2003年前後中国に出た企業が生き残り、05年以降追随しても存続が困難になったという。その点、タイの日系企業は83%黒字という情報もある。直近、人材教育にかかり切り。幹部育成を目指すもので3Dプリンター、材料開拓にも意欲。リーマンショック後一服したアンカープラグを自前のブランドで育てるという。2012、13年調整運で14年から上昇運。杉浦社長(47)が来年から3年盛運だけに期待がかかる。
2015年8月期(連結)は、売上高70億円(3%増)、営業利益1億4000万円、経常利益1億6000万円(4倍)、純益1億1000万円の見通し。配当6円(中間3円)を据え置く予定。設備投資1億5000万円(前期1億7300万円)の計画。2022年(60周年)まで動乱期。この間次世代の仕込みとみられ、2014、15年が肝腎なところ。マキタ(6586)が推定過半を占め、電動工具の倍以上といわれる園芸機器市場に乗り出した。トヨタグループ向け自動車部品も堅調。タイをモノにすると中長期グループ売上高100億円が視野に入る。今、来期黒字転換・定着に全力を挙げる構えだ。