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企業レポート

変革掲げ浸透中  ショクブン  10月16日 (2014.10.15)

回り出すと様変わり  

個人のほか法人の調理・運営も

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 ショクブン(9969)は反転。持ち直した。年初から「変革」を掲げ今期堰を切ったように浸透中。システム改善を通じて全社員の意識も変わった。設立来37年、セットボックス(通い函)を青からベージュ系に統一し、夕食材料宅配を「新鮮食材と献立」に改めユニホーム一新。第二のCIそのものだ。個人のほか法人向け介護食の調理・社員食堂の運営に踏み込んだところがミソ。逐一回り出すと様変わりになりそうだ。何より、これまでにないアタリがきているため。介護食の場合、京都の施設が一例。飛び込み僅か1週間で5社受注したという。その後も予想以上で食事に困っている施設が多い。市場拡大に伴い事業者負担が増加しており、既存取引先のほか新規、大型施設のニーズもある。顧客は「食事が最大の楽しみ」という。昨年11月完全子会社「介護食運営」(資本金5000万円)を立ち上げ来月1年になるが、これまで36年、管理栄養士集団による一般家庭向け豊富なメニュー開発と提案が決め手。生協やネット系、冷凍食品メーカーなど続出する新規参入と一線を画している。食品宅配の市場規模は2017年度2兆2000億円(12年度1兆8000億円)といわれ、昨年9月65歳以上の高齢者が総人口の25%を占めこれから一段と拡大。前回述べた春日井の食品加工場改修が新たな手掛かり。能力2割から5割増との試算もあり今、来期転機とみられる。同社の場合、94年に業界で初めて株式を店頭公開し、98年優良フードサービス事業者として農水大臣賞を受賞。01年に東・名証二部上場を実現しピークアウト。前期まで13年過当競争をやむなくされた。10月1日、ニチイ学館(9792)の創業者(78)が9年振り社長に復帰したが、国内で初めて介護サービスを始め05年会長になったものの、今でも影響力があり、折りもおり川瀬社長(74)と通じるところもある。巻き返しが見ものだ。

2015年3月期(連結)は、売上高103億7700万円(11%増)、営業利益4億7300万円(3.7倍)、経常利益3億8600万円(9.4倍)、純益2億3100万円(2.1倍)の見通し。配当7円(中間3.5円)を据え置く予定。設備投資1億円(前期1億1600万円)の計画。10月31日、中間決算を発表する見込み。例年2Q営業赤字の後3Q需要期を迎えるが、今期から個人のほか介護や医療など法人の寄与も見込まれ、「第2の創業」のような雰囲気。1Q3期振り増収増益だけに注目される。9月15日スタートした「菜取180g」がヒット。健康日本21指導指針・1日当たり350gの野菜半分以上1食で摂取できるという。生活必需品50品目をピックアップ。買い物代行サービスも始めた。顧客が喜んだ分収益に跳ね返るしくみ。社員735人(前期末)のうち9割が女性で時宜に叶っている。2014年から上昇運。長い上り坂。今、来期増益なら巻き返しが軌道に乗りそうだ。

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