3期振り1Q黒字 東洋電機 8月27日 (2014.08.26)
インフラ再構築急ピッチ
名実ともリーマン越え目指す
東洋電機(6655)は踊り場後半。新体制に伴うインフラ再構築急ピッチ。ヤマ場を迎える。名実ともリーマン越えを目指すもので、3月にタイ子会社稼働、8月には春日井工場内に本社・事務所を移転。9月に新工場着工(来年3月竣工予定)。さらに、「マジック・ビー」をはじめ前回述べた開発製品拡販も新たなテーマ。6月の組織変更と人事異動が決め手とみられる。意思決定の迅速化と業績責任が特徴で「任す経営」の印象。このうち、若手の部長が起用されたエンジニアリングと機器事業部の成り行きが注目される。6月24日の総会で評価されたが、今、来期先行投資と償却負担増が綱引き。ローリスク・ハイリターンが予想されるだけに、4年有余300円前後(1株当たり連結純資産586円)で膠着状態のマーケットが恨めしい。生産設備支援業種で直近よくもないが、地道な改善努力がうかがえ3期振り1Q連結営業黒字でスタート。前期末から在庫4%減(前期21%減)が光る。7月上方修正した内閣府の月例報告が26日出たが、4〜6月期GDP年率6.8%マイナスに対し、7〜9月期プラス8%前後といわれ踊り場に違いない。結局「想定内」とみられ、悲観人気の反動が考えられる。同社は、国内シェア70%といわれるエレベータセンサのトップメーカー。紡績会社にせがまれ糸切れ検知用センサを開発しエレベータに応用。ドア開閉光センサや赤外線ワイヤレス伝道機器など周辺からエレベータの安全を支援し他を圧倒。3億3000万円投入したタイ新工場が南京の子会社と連携し、世界の6割を占める中国をはじめインドやアセアンの日系メーカー向け二つ目海外拠点。検査業務が不可欠で中国から日本に輸入し再度出荷していたが、輸送と時間のロスを吸収するため昨年2月設立した。三菱電機(6503)が中国の高級エレベータ生産能力を倍にするというが、インドやアセアン向け潜在需要も相当なスケール。このため、変圧器、エンジニアリング、機器3事業部の脱皮待ったなし。手を打ったことも事実で引き合いが増えている。
2015年3月期(連結)は、売上高86億900万円(2%増)、営業利益3億200万円(3%減)、経常利益3億1600万円(12%減)、純益1億5400万円(14%減)の見通し。配当8円(中間4円)を据え置く予定。設備投資6億200万円(前期4億5300万円)の計画。今年後半から社運上昇。3年続く上、松尾社長(41)も来年以降上昇運。96億5400万円(08年3月期)をピークに78億6500万円(10年3月期)まで落ち込んだ連結売上高が、再び100億円を視野・リーマン越えを目指すポジションにつけた。海外売上高が20〜30%(前期12%)になると体質が一変する。日系の大手重電機メーカーから受注拡大。現地法人との交流も活発になる見通し。来年(創業70年)から10年、2度目の直線コース入り。加速すると収益に跳ね返る見込み。新体制のフル稼働が楽しみだ