創業者精神が定着 三谷産業 8月7日 (2014.08.06)
償却負担こなし続伸
2020年にかけて最高益更新
三谷産業(8285)は堅調。償却負担をこなし続伸。来期以降、弾みがつきそうだ。主力の化学品関連事業で健康食品素材の受委託とジェネリック医薬品原体、さらにエネルギーを除くベトナム関連5事業の高い伸びが見込まれるためだ。2020年東京五輪を視野に首都圏の空調設備工事・住宅機器関連事業も高水準。2月17日東証2部に上場したほか、3月24日東京本社を神田神保町に移転。免震、非常用発電、非常食を備え不退転の決意。5月13日一単元100株に変更、同19日貸借銘柄に選定。前期43億3000万円(今期12億5000万円の計画)の設備投資を伏線にもう一皮むけそうだ。創業86年。エンジニアリング商社といわれ、研究開発とメーカー機能が川上から川下を結ぶ顧客満足のルーツ。04年情報システム事業部が売上高を過大計上し管理ポストに入って10年。改めて創業者精神が定着した。今後、2、3000円レベルに駒を進めた三谷商事(8066)、江守GH(9963)を追う展開。当面、96年3月期の連結最高純益(14億円)更新が復活の目安になる。直近、牛用機能性飼料(中間体)を受託したほか、富士通の子会社とベトナムで樹脂成形品・複合ユニット製品の合弁事業立ち上げを表明。昨年後半から強い運気に包まれ来年も上昇運だけに、逐一こなすとリターンも大きい。何より、93年から20年以上心血を注いだベトナムの事業が成長軌道入り。今期74億8000万円(前期63億1000万円)の計画だが、3月来日したベトナムのサン国家主席が2020年にかけて日本との貿易額倍増(13年2兆5400億円)を打ち出した。ベトナムは、インドネシア2億5000万人、フィリピン1億人に次ぐ人口9200万人でアセアン3位の規模。昨年から欧米に続きトヨタ、イオン、コンビニ各社など日本勢も進出が目立つ。アセアンの本部がジャカルタにあり、インドネシアが活性化すると消費ブームがやってくる。03年、中国上海で起きた現象に匹敵する経過。現在、アセアンが親日だけにビジネスチャンスだ。同社にとってベトナムが「海外本社」。次の100年をリードする拠点になりそうだ。
2015年3月期(連結)は、売上高718億円(5.5%増)、営業利益15億円7000万円(6%増)、経常利益18億3000万円(6%増)、純益10億7000万円(4%増)の見通し。配当6円(中間3円)を据え置く予定。1Q2.1%増収に対し営業赤字が1億1900万円増加したが、駆け込み需要の反動と償却負担増によるもの。2Q以降巻き返しが予想される。5月に稼働した富山県八尾の医薬品原体(現在35品目)新工場本格化が楽しみ。前期47億円の原体売上高が3年後80億円に急伸する見込み。健康食品素材、ベトナム関連事業と並び三つの強力なエンジンを持っている。このうち、医薬品原体とベトナム関連事業が国策であり追い風。2020年にかけて最高益更新が見込まれる。