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企業レポート

サプライズ含み  CKD  7月23日 (2014.07.22)

将来左右する今、来期  

仕込み一体でリターンも大きい

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CKD(6407)は続伸。1、2Q計画線上。3、4Qサプライズ含みだ。今秋にも東京エレクトロン(最大の得意先)と米アプライドマテリアルズの統合を控えているためで、シャープ(6753)を前例に微細化が限界といわれる半導体の技術革新が止まるか、成功するか正念場。同社の流体制御と自動化を基盤とする事業に大きな影響を与える。前期から成長市場向け商品強化、海外・国内拠点整備、新事業の育成など「グローバルCKD2015」(中期計画・連結売上高850億円)の仕込み急ピッチ。今、来期ピークとみられ、いいポジションにつけた。国内と世界最大手が組む統合。半導体製造装置世界シェア計25%といわれ。本社オランダ、アプライドのCEO家族で東京住まいという「対等」さがユニーク。米国SECのほか各国で独禁法審査待ちだが、成功すると3年後の売上高1兆8300億円、営業利益4500億円程度といわれ桁外れ。1Q営業黒字転換100億円という東京エレクトロンから見て様変わりだ。跳ね返りも大きい。同社の場合、6月24日の総会34分。前期連結16%増収、純益2.2倍で計画を上回り、18円配当(8円増配)だけに文句なし。半導体市況の回復と円安が主因。配当性向25%を打ち出し、さらに4円増配を表明した。むしろ、半導体とブリスタ(薬品包装機)依存体質が課題という。今期伸びが鈍るのは、半導体5%減(前期53%増)、後半回復を見込んでいるため。ところが、比較的堅調で7月31日発表予定の1Q予想以上。日本と中韓対立の影響も軽微。ブレずに回っているという。前回述べた四日市工場を口火に近隣の春日井・犬山と本社工場の役割を見直す国内マザー工場化が最大の手掛かり。従来の機能を一段と強化するもので。本社工場の場合、2棟を1棟にまとめ分散していた開発、生産、営業など連携を促し、工作機械やライン一新を通じて生産性の改善が狙い。約30億円投入し今秋着工、来夏完成の計画。四日市の空気圧・流体バルブ、春日井の流体制御機器、犬山の空気圧シリンダ、そしてFAのメイン本社工場の自動機械や省力・冷熱・精密機器など国内再構築。インドネシア、ベトナム、インドなどアジア中心に新興国の販売拠点拡充と連動している。昨年10月中国工場を移転し、空気圧機器と自動機械の供給を増強した。

2015年3月期(連結)は、売上高800億円(6%増)、営業利益85億円(8%増)、経常利益同(4.5%増)、純益55億円(1%増)の見通し。設備投資77億円(前期58億円)、研究開発費29億円(同27億円)の計画。自動機械170億円(13%増)、機器630億円(4%増)を見込んでいる。海外売上高200億円(前期170億円)の予定。会社は2014、15年調整運。梶本社長(57)も同運だけに、仕込み一体でリターンも大きい。20数年振り食品包装機が復活し話題になった。今、来期が同社の将来を左右しそうだ。

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