園芸機器2ケタの伸び マキタ 7月15日 (2014.07.14)
国内反動減の予想一掃
保守・サービスも現地主義を徹底
マキタ(6586)は好調。1Q連結前年を上回った模様。国内反動減の予想を一掃した。前期スタートした新体制1年。リレー成功を物語るもので、海外もロシア、中南米、中近東など難しい問題に対応。旧ソ連領やカンボジア、ミャンマーなど空白地解消に意欲。顧客開拓のほか保守・サービスも現地主義を徹底している。来年3月21日、創業100年。電動工具世界3強を足場に園芸機器で次の100年。前者1兆円、後者2兆円市場といわれ、前期連結推定300億円(直前期250億円)の園芸機器を1000億円(シェア5%)に引き上げるのが当面の狙い。1991年、チェンソーメーカーのザックス・ドルマー(ドイツ)買収を口火に20年以上の仕込みが手掛かり。昨年4月、マキタ沼津(旧富士ロビン)を吸収合併。同5月、シャープ(6753)と資本業務提携。同7月、草刈正雄(61)を起用したTVCMが当たり先行する欧州2社キャッチアップに乗りだした。以前シャープと掃除機のOEMで取引した経緯もあり、目下あらゆるソフトを棚卸。今後、蓄積された電動工具のハードとコラボで小型、防塵、防音など軽量で高出力な新製品が誕生する見通し。05年2月、世界に先駆けてプロ用電動工具リチウムイオン電池を採用。電池一つで他の工具も使えるようにシリーズ化。電圧別に5種類揃え、充電式を185種類に増やした結果、前期連結国内660億円(05年3月期394億円)の実績。園芸機器でも似たようなことが起きそうだ。2ケタの伸びを期待できる。今年後半から上昇運。3年続く見込み。堀社長(66)に昨年から強い運気が見られ相乗効果も考えられる。直近、世界2600万台体制。うち中国の生産が6割を占め、チャイナプラスワンのタイ(2012年7月稼働)と昨年暮れ月産50万台に倍増したルーマニア工場で機動的な体制になった。国内製品の5割バッテリータイプ。リチイムイオン電池が8割を占めるだけに次世代バッテリーが出ると様変わり。保守・サービスも現地主義が徹底し連結最高益(08年3月期460億円)更新が射程圏に入る。6月23日6440円をつけ、昨年5月の上場来高値6200円を突破した。
2015年3月期(連結)は、売上高3850億円(0.5%増)、営業利益595億円(8%増)、経常利益598億円(5%増)、純益398億円(3.5%増)の見通し。配当は中間18円、配当性向30%を目安に期末(前期73円)を決める。設備投資150億円(前期114億円)、研究開発費98億円(87億円)の計画。米ドル100円(同100.17円)、ユーロ135円(同134.21円)が基準レート。2Q慎重、3、4Q も流動的だが、現地対応が進みぶれない経営に定評がある。7月31日1Q発表を予定しており上振れの印象。企業100年の節目に20年以上仕込んだ園芸機器が颯爽と登場。今後、草刈り機、芝刈り機、チェンソーなど同社の代名詞になりそうだ。