輸出が予想以上 エイケン 6月23日 (2014.06.20)
踊り場を抜け出す場面
円安定着し海外で市場拡大
エイケン工業(7265・JQ)は計画線。2ケタ増収増益で折り返した。前期16年振り最高になった輸出が予想以上。国内の落ち込みを吸収している。円安が定着し海外で割安感。アジア、欧州、中近東など市場拡大。近い将来、国内と肩を並べそうだ。全メーカー向け自動車補修用フィルター専業。一貫生産によるもので高性能品がリード。国内で同業者、商社、石油元売り、SS卸、系列メーカーなど多くの販路を持つが、海外で日本製ブランドに高い評価。円安で拍車がかかり、知名度も上がってきたようだ。従来円建てで信頼にこたえている。リーマンショックから5年有余、逆境下で躊躇なく大型投資を実施。品質や性能、価格など競争力をつけた。昨年1月稼働した第7工場の西側に新棟が稼働するともう一皮むける。高品質、低コストの一貫生産体制が確立するためだ。静岡県上場57社のうち、御前崎市で唯一の存在。実質無借金で健闘している。会社は今年から上昇運。早馬社長(57)が安定して高い運気にあり滅多にないポジション。前期、増収増益を確保。国内10%減収、海外21%増収だけに踊り場を抜け出しそうだ。
2014年10月期(非連結)は、売上高48億2000万円(1.8%増)、営業利益2億6100万円(8.8%増)、経常利益2億8100万円(4.4%増)、純益1億7700万円(6.1%減)と計画通り。配当は期末12円を据え置く予定。設備投資2億円(計画2億5000万円)の見込み。2年越し反転の足場を固める。発行済み720万株のうち、218万株自己で保有しており、やがて資本政策も注目されるところだ。欲をいえば、2000年省エネ大賞、02年度技術賞を受賞した高効率マイコンフライヤー「GF―24」の復活。ガスバーナーやヒートポンプなど宝の持ち腐れ。30年以上技術実績があるだけに、燃焼機器事業の再構築を見たいものだ。主力のフィルター事業は国内より海外シフト。例えば18日、ロシアのガスプロムが2020年にかけてサハリン2、LNG基地を新設すると発表し、極東の中古日本車市場が息を吹き返す見通し。日本の対ロシア中古乗用車輸出は、リーマン前の08年51万7000台をピークに09年4万5000台に急落したが、翌10年から持ち直し回復基調。ロシアの国産新車より日本の中古車の方が性能がいいため、おのずとフィルターの需要増に跳ね返る。今後、アジアと欧州で国内を上回ることも考えられる。時価総額29億円(1株当たり純資産36億円)。16日の終値で計算すると利回り3%。国内より海外で評判である。