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企業レポート

3年後がポイント  スズケン  6月11日 (2014.06.10)

プラットホーム強化 

画一サービスから機能競争に転換

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スズケン(9987)は踊り場。流通改善に一定の成果。今期一服の見通し。数年来、総価から単品単価取引移行に取り組み、大半販価妥結にめど。前期連結計画を上回ったのが手掛かり。薬価改定、消費税引き上げをこなしているのが現状だ。1~3月101%とすれば4~6月99%の印象。前期医薬品卸売事業の売上高が1兆8943億円(5.2%増)だけに、上下僅か2%でも落差が大きい。業界は大手3社の寡占。有力な地場を除き再編の渦中。同社の場合、卸トップから3位に後退したが、画一的なサービスから機能競争に転換。中期ビジョン1~3(2014~16年度)を掲げ、医薬品卸、同製造、保険薬局、介護事業を通じて川上から川下まで医療流通プラットホームを強化。国内のほかアジアにもトータルで柔軟に対応し、再び№1を取り戻すというもの。5月9日発表したコラボクリエイト・SDネクスト、スズケンロジコム・秋山物流サービス・コラボワークスの子会社合併と商号変更。5月29日地鎮祭、2016年4月稼働予定の新物流センター(愛知県大府市)もこの一環。前者は医薬メーカー総合支援と物流基盤集約。後者は国内11番目の拠点で、大規模災害に備え画期的な試み。延べ50億円投入し免震3層構造、自家発電装置が目玉。愛知県下10支店のうち3支店取り込み、非常時でも迅速な配送が可能になる。来年も上昇運でモノになりそうだ。医薬品製造子会社の三和化学も見逃せない。糖尿病に特化し、「セイブル錠」を口火に「スイニー錠」、関連で「ウリアデック錠」を発売。喘息診断薬や便秘治療薬、バイオ後続品にも挑戦している。このほか、保険薬局、医療関連サービス事業(介護・希少疾病支援)にも裾野が広がりプラットホーム拡大。保険と保険外診療を併用する混合診療(原則禁止)の成り行きを見守っている。

2015年3月期(連結)は、売上高2兆70億円(0.9%増)、営業利益134億7000万円(24.5%減)、経常利益300億7000万円(14.9%減)、純益176億円(17.9%減)の見通し。配当54円(中間27円)の予定。設備投資189億円(前期139億円)、研究開発費66億円(同60億円)の計画。今、来期収益より基盤確立に意欲。引き続き単品単価取引の浸透を図る。ちなみに、前期医薬品卸売事業の営業利益率0,62%。業界も1%未満で新たな投資ができない現状。薬価改定、消費税引き上げが関門とみられ、中期ビジョンに沿って3年後(17年3月期)がポイント。同社らしく答えを出すはずだ。子会社のサンキ・ウエルビ(広島)とユスケアメイト(関東)による介護事業の展開も楽しみだ。

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