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企業レポート

生産性上がり続伸  中部鋼鈑  5月23日 (2014.05.22)

バランスを取り戻す
鉄のリサイクルに解を見出す
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中部鋼鈑(5461)は続伸。堅調な見通し。バランスを取り戻した。厚板需給好転によるもので、年明けスクラップの反落も手掛かり。前回述べた一連の設備更新や省力化で歩留りが改善している。電炉主要15社の前3月期連結によれば、経常増益3、黒字転換4、経常減益4、赤字4社とまちまち。同社の場合、2Q反転し黒字転換。単価8.9%(直前期マイナス14.4%)、数量も18.8%(同マイナス7.9%)戻し、製造コスト削減(22億7900万円)が決め手。生産性が上がり今期予想60万トン(前期推定57万トン)の見込み。建築・土木のほか建機、産機、一部造船にも明るさ。さらに1、2割(同8%)上がるといわれる電力料金織り込み済み。スクラップ高をコストダウンで吸収できないなら在庫を活用。受注確保と安定供給に傾注するという。10年来、近隣中学の就業体験受け入れ、町内会や自治会の工場見学会、本社周辺の清掃活動、社内献血など地道な積み重ねが清々しい。平成8年度140億円あった有利子負債が平成23年度以来ゼロ。すっかり経営が安定した。2010年(設立60年)を節目に100年企業に向けた仕込みが印象的。成長より成熟戦略シフトとみられる。しかし、連結純資産513億円に対し時価総額僅か132億円。余りにギャップが大きい。アマダ(6113)が15日後場、純益の半分を配当に、残りも自社株買いに回し、企業価値を高める旨を発表し好感されたのが一例。同社も電炉大手の一角でもう一皮むけるところ。今、来期締まると従来のイメージが一変しそうだ。
2015年3月期(連結)は、売上高510億円(14%増)営業利益17億円(88%増)、経常利益同(97%増)、純益10億円(2.58倍)の見通し。配当は中間4円を予定し期末未定。前期6円(1円増配)だけに今後楽しみだ。設備投資20~25億円(前期28億円)の計画。償却26億円に見合うもので更新が大半。省エネに尽きるという。すでに中国が世界鉄鋼生産の半分を占め、韓国ポスコを加え供給過剰の状態。じたばたしても始まらない。慢性的な売り圧力をこなす上で、業界再編も解決にならないのが現状。このため、今、来期顧客の期待にこたえると大きい。会社が2014、15年高い運気に包まれる一方、太田社長(62)も安定して高い運気。前回消費増税が転機だったように今回似て非なり。子会社(4)も健闘しており、1Q飛び出すと面白い。原材料をうまく取り込むのがコツ。鉄のリサイクルに解を見出した。

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