新しい手がかり 大宝運輸 1月13日 (2011.01.13)
四日市支店が適応モデル
三好支店も反転の目玉提案
大宝運輸(9040)は底練り。ボトム圏で一進一退。新体制の試行錯誤が続いている。空・海運が円高一服から輸出で一息つく一方、陸運は需要ギャップ15兆円の谷間。事実上の消耗戦になっており、環境対応、燃料高、価格競争など逆風のまま。リーマンショック以降、物流や在庫管理も割安な代行、レンタルサービスが台頭し、単価安に歯止めがかからない。しかし、同社は動じない。30有余年教育立社、門戸開放、自力実行に徹し全人教育。人材が山のようにいる。ちなみに、1975年172件あった事故が10年後15件。車両台数が258から318に増加しているので驚きだが、今期5件(前期10件)が目標。ちなみに、車両台数450。上場から15年、全国指折りのレベルになった。毎年「物流フェスティバル」、「運動会」、「文化祭」を通じてめいめい当事者能力を競い、次のリーダーを育てるためだ。圧巻が昨年10月34回を数えた運動会。県内公営グランドを借り切り、社員と家族約1200人が本社と11支店に分かれ競技、応援、パフォーマンスなど熱戦を繰り広げた。結果、全種目1位の四日市支店がぶっちぎりのトップ。総合優勝でV2。物流フェスティバルのV2につぐもので2月の文化祭V2にも意欲。最近まで業績も最下位だっただけにびっくりした。松田支店長以下20人のチームワークによるもので、昨年6月社長交代と並ぶ新しい手がかり。時代に適応するビジネスモデルができた。泡影塾(約75人)、和合塾(約150人)のたまもの。継続が力になって四日市からふき出している。
2Q累計は、1%減収、35%営業減益、同経常減益、58%減益の折り返し。売上高を除き下方修正した。猛暑特需で増収になったが、単価安に燃料高、貸倒損失を計上。3Q発表(前期2月4日)を踏まえ、4Qの追い込みにかかっている。11年3月期(非連結)は、売上高94億円(1%増)、営業利益2億7000万円(10%減)、経常利益同(15%減)、純益1億1000万円に見直した。配当は10円(期末5円)を据え置く予定。反転の目玉は、三好支店が提案した輸入自転車。月6000台を目安に昨年3月スタート。季節商品のためホイール、タイヤ、炬燵など通年商品もラインナップ。今期の実績が次期につながりそうだ。昨年(創業90年)に続き今年(設立60年)も大きな節目。これまでにない大きなカーブを曲がるところ。今年の社運は出会い、交流の中にある。大地全体が活気づいている相という。次期から面白くなりそうだ。