証券ビュー

企業レポート

抜け出す構え 藤久   8月19日 (2011.08.18)

震災と復興で減り張り

店舗純増手がかりに大幅増益

企業HPご案内 前回の企業レポート

藤久(9966)はボトム圏。前期下振れしたが、今期抜け出す構え。震災と復興を通じて減り張りがついてきた。店舗純増が目立つためで、前期出店28(退店17)に対し今期同40(同12)の計画。東北がざっと2割を数え、首都圏その他も地域特性や規模、売れ筋を勘案した機動的なもの。それに、前期末397店舗のうち、ソーイングスクールが61店舗(純増15)に増加。「クラフトカフェ」が趣向を盛り上げている。店頭講習会で世代別テーマを課題にエコスタイルの商品を提案する運営も見どころ。東北と関東で56店舗被災し、災害損失3900万円計上しただけに、自ら体験を通じて復興が軌道に乗ると面白い。逆回転の反動は予想以上に大きいためだ。03年6月期(純益16億円)をピークに調整8年。来年が創業60年にあたり今、来期もう一皮むけるところ。今年後半最後の円高といわれ、陰の極に入ったデフレが気がかりだが、来年から25兆円規模の復興特需を呼び水に円安インフレも伝えられ、前期計画を上回った店舗純増、今期の仕込みにかかってくる。自動発注システムの導入も新たな手がかりだ。

11年6月期(非連結)は、0.5%減収、9%営業減益、8%経常減益、1%増益。計画を下回った。2月9日、8月10日の修正発表によるもので、全業態既存店2.6%減収(前期0.6%増収)。期末にかけて震災の影響が表面化した。12年6月期(非連結)は、売上高231億600万円(6%増)、営業利益12億6900万円(44%増)、経常利益13億2000万円(29%増)、純益3億3200万円(19%増)の見通し。配当は40円(中間20円)を据え置く予定。社運を調べると、今年踊り場。来年調整運だが、再来年上昇運。60周年を節目に同社も世の中も相当変わりそうだ。

>>購読ご案内