全部門増収増益 岡谷鋼機 4月4日 (2014.04.03)
今、来期ピーク更新も
2年早く新中期計画捉える
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岡谷鋼機(7485)は続伸。連結最高純益更新の見込み。安定してきた。鉄鋼をはじめ情報・電機、産業資材、生活産業全部門連結増収。採算も一段と改善している。国内取引(前期連結4.2%増収)の回復、傾注している海外取引(同15.9%増収)の高い伸びによるもので、歩留まり向上と営業外収支の好転が主因。期中日経平均が3282円上昇し196億円含み益を計上。すでに実質無借金で様々なビジネスチャンスに対応できる。4月から17年振り消費税が引き上げられ尚更だ。大手の間では4~6月駆け込みの反動に対し、7~9月持ち直すといわれ、混乱していたタイも底入れの気配。今、来期、リーマンショック前06年から08年2月期をしのぎピーク更新も考えられる。ルーツの鉄鋼がリード。いかにも同社らしい。今期連結3470億円(12.2%増)の計画で異彩を放っている。自動車や土木・建築の荷動きにひきかえ、建機、産機、造船の回復が今一つ。素材だけに利益の伸びが鈍いことも事実。しかし、情報・電機1580億円(1.7%増)、産業資材2300億円(28.8%増)、生活産業650億円(4.4%増)と揃って続伸。全部門連結営業増益の見通し。海外取引(前期31.2%)拡大、技術革新、人材育成を支柱とする新中期計画。数値の上で2年早く連結売上高1兆円、純益100億円(2016年2月期)を捉え始めた。今、来期ピーク更新なら申し分ない。昨年11月、岡谷社長(69)が名商会頭に就任し忙殺の模様だが、5月22日付役員・人事異動を見ると、担当区分を除き取締役16人体制(代表取締役3人)に変わりない。新中期計画が軌道に乗りモチベーションが上がった印象。安倍政権が6月に「民間投資を喚起する成長戦略」を発表するが、同社の場合、昨年10月「メッセナゴヤ2013」に展示した地中熱利用換気システムが最右翼。小水力発電システム、HEMS関連、次世代水処理システムも有力。既存製品でも子会社統廃合、支店開設、タイに財団設立、中国の熱間鍛造新会社に出資するなどシェアアップに意欲。大手商社と一線を画し最適調達、パートナーに徹しているところがいい。
2015年2月期(連結)は、売上高8000億円(7.5%増)、営業利益150億円(7%増)、経常利益170億円(1.5%増)、純益110億円(7.4%増)の見通し。配当は中間15円、期末75円の予定。9月1日を効力発生日として5株を1株に併合するため実質増配。設備投資22億円(前期29億円)の計画。今年から来年にかけて上昇・安定運。社長も同運で一体感がありインパクトも大きい。困難な仕事でもめげずに処理すると弾みがつくという。2月に六合エレメック(子会社)の本社ビルが第5回サステナブル建築賞・小規模建築部門で国土交通大臣賞を受賞したのもわかる。2011年から運気上昇が伝わっていた。4月1日1410円を高値に一服したが、今、来期意外な高値が見込まれる。