既存製品伸ばす 大同メタル 3月26日 (2014.03.25)
インフラ構築に傾注
すべり軸受全分野世界一目指す
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大同メタル工業(7245)は堅調。昨年8月9日、同11月14日、2月14日に上方修正。4Qも消費税引き上げを前に予想以上とみられる。3Qから国内自動車関連が回復。船舶や建機向け落ち込み幅が縮小したほか、アジア、北米、欧州で自動車関連が寄与。生産性、円安、特益計上もあり採算の改善が見込まれる。新中期計画(6年)の第1ステージ(2012~14年度)。すべり軸受全分野で世界トップシェアを目指しインフラ構築に傾注。エンジン軸受の世界シェア32%を40%に引き上げる構え。前期タイで第3工場、中国で第2工場を立ち上げたほか、昨年4月チェコとインドネシアで第2工場、7月にメキシコ新工場稼働。ロシアでは07年買収した同国最大の軸受メーカーを買収。ラインを更新し能力増強に踏み切った。前回述べたメキシコ工場が目玉。今、来期100億円規模の設備投資が続き大半を占める。リーマンショックもあり09年閉鎖した米国工場の生まれ変わり。引いた直後からフォードをはじめ現地ニーズが強く、2011年にメキシコ進出を発表。16年エンジン軸受500万台体制(世界生産の10%)を目指し追加投資急ピッチ。今年後半から3年上昇運。樫山社長(66)も同運だけに追い風が吹きそうだ。ロシアがウクライナ問題で揺れているが、日本の品質に匹敵し欧州にも輸出している模様。来期インフラが完成し第2ステージ(2015~17年度)。同期の実績を踏まえ、より具体的な目標が明らかになる見込み。国内と海外14ヵ国を結び18生産拠点。鉛フリーをはじめ既存製品を伸ばすところに実力がうかがえる。連結売上高1110億円、営業利益167億円が新中期計画の目安。2020年まで2兆円といわれるLNG(液化天然ガス)輸送船の建造等をきっかけに船舶、建機の底入れも注目される。
2014年3月期(連結)は、売上高775億円(9.3%増)、営業利益71億円(12.9%増)、経常利益78億円(12.5%増)、純益45億円(2.6%増)に見直した。配当14円(期末7円)の予定。自動車関連に限れば、急ピッチな生産グローバル化に拘らず需給タイト。1台の乗用車に約30種100点程度といわれる。09年の米国撤退が固定費圧縮に拍車をかけた。2010年VW、13年BMW、15年からボルボにも新型エンジン向け供給が決まり欧州の受注が目立つ。市場が成熟しているだけにシェア上昇がうかがえ、日本一から世界一に脱皮する上で踊り場。2019年(80周年)にかけて最大のビジネスチャンスとみられる。