証券ビュー

企業レポート

エベレストに挑戦  セリア  3月18日 (2014.03.17)

今年から長大の上昇運
必要なものを必要なだけつくる
企業HPご案内 前回の企業レポート

セリア(2782・JQ)は尻上がり。後半も予想以上。来期弾みがつきそうだ。直営既存店売上高が3Q累計102.9%(前半102.6%)と堅調。出店も通期95(計画90)にのぼる見込み。2Q上方修正、3Q5円増配を表明したが、4Qも計画を上回る公算が大きい。97年の消費税2%引き上げ、円高、中国台頭などユニクロやニトリ、ヤマダ電機と並び100円ショップの躍進を促したように、今回4月3%、来年10月2%引き上げを前に再び収益拡大を後押し。来期の出店100~110の見通し。3月14日現在、時価総額1592億円。前回述べた地元セイノ―HD(9076)2076億円に対し76%の水準。大垣共立銀(8361)922億円。今後3大都市圏だけで延べ1000前後本格的な出店が見込まれ、追いつき追い越すのも時間の問題。スーパー12兆円、コンビニ10兆円にひきかえ、5500億円といわれる大手4社の100円ショップ市場。2度目の消費増税を控え6000億円、1兆円を視野。同社の場合、昨年7月16日3855円をつけ富士山(3776m)を超えたが、エベレスト(8844m)挑戦も現実的になった。「ダイソー」が店舗展開を始めた1987年に設立され、2017年(30周年)にかけて伸び盛り。デフレの旗手といわれ、量より質、それも07年からボリュームゾーンに強い「カラー・ザ・デイズ」(全体の3分の1)が登場し締まった。今期の予想営業利益率8.7%。キャンドゥ(2.4%)やワッツ(5.0%)と比較にならない水準。04年導入したリアルタイムPOS(販売時点情報管理)が改良に次ぐ改良10年。売り場に集まる全国各地の生活情報を分析した在庫管理システム。理想的な商品構成を導き出すといわれ。仮説と検証の地道な積み重ねが店舗、商品、全店ベースで必要なものを必要なだけつくる体質に変えた。主要50社(延べ180社)と年2回膝詰めの商品開発が原動力になっている。20%以上円安になりじわじわコストが上がっているが、無駄が出ないため吸収できるという。2016年3月期から出店ペース200といわれ、ピッチが上がるのも有力な手掛かり。全国から出店要請が相次ぎ、これまで実現したのが前回述べた5分の1程度。来年4月オープン予定の池袋店も3年がかりという。
2014年3月期(非連結)は、売上高1070億円(9%増)、営業利益93億円(12%増)、経常利益同(13%増)、純益54億5000万円(13%増)の見通し。配当は期末20円の予定。設備投資38億円(前期29億円)に見直した。来期40~45億円の模様。ディズニーやサンリオなどキャラクター商品が売れ筋。原価の高いものに人気が集まるという。4月から消費税引き上げにより税込み105円が108円一律。1万9000アイテムのうち、毎月500~600入れ替えるという商品開発力が魅力。日本製品40%といわれるが、バイジャパン93%。日本人が100%管理している。今年から長大の上昇運。河合社長(66)が大器晩成型で見合っている。

>>購読ご案内