絶好のポジション 矢作建設 3月5日 (2014.03.04)
20年振り最高益更新
空前絶後のプロジェクト動き出す
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矢作建設工業(1870)は様変わり。3Q連結累計44%増収、181%営業増益。受注高485億円(78%増)も手掛かり。通期20年振り最高益更新の公算が大きい。前回述べた補正執行に伴う小中学校の耐震工事が急回復。通期の受注160億円(46%増)の見込み。文科省が2015年100%を目指しているためで、改正耐震改修促進法施行も支援材料。大規模特定建築物、重要建築物の耐震診断が義務化され市場拡大。4月1日ピタコラムがウッドピタを吸収し、高校や大学、官公庁、民間レベルでも本格的な普及に備える。昨年9月8日の東京五輪招致も大きい。その後、新年度から消費税3%引き上げが決まりグループの一部に追い風が吹いた。3Q連結累計の完工504億円(40%増)。建築84%増、土木24%増、兼業70%増など活況。4Q追い込み来期も高水準とみられる。2012年4月に前社長が急逝し間もなく2年。60年続いたオーナー経営から脱皮。前期から沸いている。一方、筆頭株主の名鉄(9048)が6月に創業120周年。もう一皮むけるところにきた。新年度からJR東海(9022)がリニア関連工事着工に踏み切るため、一説に1000億円レベルといわれる名古屋駅再開発待ったなし。来期基本計画が出るとみられ、2027年開業を踏まえ取り壊しを含めた息の長いプロジェクトが動き出す。同社にとっても、09年60周年を数えこれまで最大の案件。天の時、地の利を得て人の和を結集する時がきた。社運が今年後半急上昇。来年から3年上昇運だけにグループ一体となった取り組みが望まれる。基本計画がまとまれば2014、15年の仕込み急ピッチ。今期最高益を更新しても初動とみられ、第2、第3の大型受注が見込まれる。2020年東京五輪、27年リニア開業を前に絶好のポジションにつけた。首都圏と名古屋二つのプロジェクトが焦点。名鉄が鉄道やバスのほか、流通、サービス、不動産など子会社138を伴うだけに社運を賭けた大事業。同社にとっても空前絶後のビジネスチャンスと考えられる。
2014年3月期(連結)は、売上高780億円(16.5%増)、営業利益60億円(132.4%増)、経常利益55億円(157.8%増)、純益30億円(153.3%増)の見通し。昨年10月28日修正した もので、3円増配し14円配当(期末7円)の予定。3Qで売上高79%、営業利益92%の進捗率。4Qも堅調とみられ、再上方修正が予想される。藤本社長(61)が来年から上昇運でこの上ない。第2、第3波をとらえそうだ。