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企業レポート

4Qスパート 文溪堂   1月17日 (2011.01.17)

移行措置が追い風呼ぶ

新指導要領実施前にリード

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文溪堂(9471)は好調。2Q連結累計最高の折り返し。3Q堅調な模様で4Qスパートしている。新年度から小学校が新学習指導要領完全実施。4月早々、移行措置2年の結果が出るためだ。中学校は来年度実施され、移行措置3年の結果が1年後にわかる。よって、次期から2年1Q発表(昨年8月4日)で大勢決まり。緊迫した場面を迎えている。しかし、同社は前期連結0.8%増収(8.6%営業増益)、今期2Q同2.5%増収(11.4%同増益)で折り返し、並々ならぬ対応ぶり。移行措置の間にシェアを上げた。4Qは小学校で総ページが25%増加する教科書に対し、編集・営業・物流あげて内容に対し価格が決め手。僅差で大詰めにさしかかり、価格競争に拍車がかかる。ゆとり教育は1980年に始まり、義務教育の一部や時間がさかれたほか、02年度から小中学校も週休2日になり内容が30%減った。このため、25%復活しても問題ない。問題なのは、OECDの学習到達度調査(PISA)で2000年トップだった数学的応用力が06年10位。科学的応用力や読解力、別の国際テストでも後退。一口でいうと、円周率3.14を3にした甘えが学力低下をもたらした。昨年12月7日、OECDが発表した09年のPISAによると、日本は世界65ヵ国・地域の15歳47万人が参加した中で科学応用力5位(前回6位)、数学的応用力9位(同10位)、読解力8位(同15位)と反転。ゆとり教育の反省が改善につながった。基本的には、教える側に責任がある。そもそも、日本は初等教育に強く高等教育に弱い。むしろ、高等教育の甘えが気になるところだ。

11年3月期(連結)は、売上高106億1000万円(1%増)、営業利益4億3000万円(21%減)、経常利益同(同)、純益2億1000万円(35%減)と修正なし。配当は8.2円(期末4.1円)の予定。移行措置に伴う編集費の増加、同単年度償却、在庫処分など前哨戦。本番に向けてグループ一丸の合理化により1円刻みのコストダウンが見どころだ。2010年(創業110年)が次世代3度目の節目。社運は今年春本番。可能性を秘めた年という。来年は夏に近づくわけで2年越しの上昇運。これまで2年の移行措置が追い風を呼んだ。

12年ぶり、1月7日発売した新刊「バムとケロのもりのこや」が人気。シリーズ6点、累計360万部突破した作品で、昨年出た「うんこ」も好評。出版が復活している。年度替わりにかけて人気化しそうだ。

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