商品企画の提案活発
今、来期ピンチがチャンスに
カネ美食品(2669・JQ)は巻き返し。3Qしのぎ4Q追い込み。反転している。昨年6月チルドを多治見工場に集約し1、2Q予想以上。同9月、本社を名古屋市緑区徳重(旧天白区中坪)へ移転。翌10月には連結子会社エスジーダイニングを吸収合併。2月7日発表した月次売上高によると、1月105.2%。累計も104.1%と健闘している。計画に対し3Qまで売上高累計75%、営業利益同81%の進捗率。通期見込みを上回りそうだ。1月、サークルKサンクス向けが40%(累計構成45%)に下がり気を揉んだが、ユニーとその他店舗向け増収を確保。「GOZENデリ」のヒット、年末年始に一部を除き全量ラップレス弁当に切り替えるなど商品企画の提案活発。自ら新風を吹き込んでいる。20日ユニーグループ・HD(8270)発足1年になるが、昨年11月旧ピアゴ今池店を耐震補強して改装した「デリスクエア」、同12月ショッピングモール旗艦店といわれる愛知県一宮市の「テラスウォーク」も盛り上がりに欠ける展開。得意先のユニーグループがセブン&アイホールディングスとイオンの小売り2強に押しまくられているのが現状。ことに、セブン・イレブン・ジャパンは愛知県初出店から11年で835店舗(昨年8月末)、サークルKの約7割に相当しスピード、立地、ドミナント形成など圧倒。数年後トップシェア(推定約3割)を明け渡すともいわれる。同社はユニーグループ(1月87%)が最大手だけにピンチだが、セブン・イレブンに匹敵する提案が通ればビジネスチャンス。リーマン前の売上高(875億円)を捉えると、05年741億円で計上した最高益更新が目安。おのずと今、来期の仕込みにかかってくる。ユニーグループがコンビニ梃入れにミニスーパー型、カフェ併設など新業態を打ち出したものの後手に回り、海外はおろか国内も防戦一方になった。同社自身認めるように、2010年3月期(40周年)を境に変革期とみられる。一口でいえば、消費税引き上げ、東京五輪後に版図が決まる。それも今、来期が左右するというわけだ。
2014年3月期(非連結)は、売上高842億1300万円(4%増)、営業利益23億4300万円(13.5%増)、経常利益24億200万円(11.5%増)、純益13億1200万円(29.5%増)の見通し。昨年11月小幅下方修正し慎重。配当50円(期末25円)を据え置く予定。設備投資は本社移転、生産設備更新など12億円(前期20億円)の計画。ほぼ一巡しテナント、外販事業を一本化した商品企画本部の開発、連携が注目される。今年後半から3年上昇運が続くだけに、ピンチがチャンスと考えられる。