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企業レポート

仕込み本格化 名工建設   6月10日 (2011.06.10)

次期から様相一変も リニア14年度着工決まる

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名工建設(1869)は堅調。前期一段と締まってきた。4月28日の上方修正によるもので、直前期スタートした第14次中期計画(3年)が手がかり。安全確保を筆頭に8項目掲げたほか官公庁工事の競争力、民間工事のコスト競争力、維持・補修・改良・改築実績の積み上げなど懸案解決が骨子。堅実な経営のもとで確実に仕事を遂行し、収益体質をより安定したものにするという。集中購買に着手し、組織や人事の見直し、不要不急資産の処分など徐々に本格化。1年前10、11年(70周年)将来の仕込みと述べたが、構造的な市場縮小に対応する一方、5月27日リニア14年度着工が決まり、関連受注が見込まれるのも支援材料。大株主のJR東海は、今期連結3350億円(12%増)の設備投資を盛り込んだ。市場は音なしの構えだが、東鉄工(1835)にひきかえ明らかに割安。品川を始発に名古屋駅新ビル(仮称)、リニア新駅着工もカウントダウン。リニアは開業こそ27年度の予定だが、新幹線のバイパスといわれ、地震対応を迫られているだけに国の着工指示が早まった。最高設計速度505キロ/時、9兆300億円の投資。まだピンとこないが、2年足らずで槌音が響く運び。震災復興につぐ大型案件。ちなみに、東海道新幹線は1959年起工式が行われ64年10月開業。工期5年、総工費3800億円。61年世銀から8000万ドル(円ドル360円換算288億円)借り、20年で完済している。一方、JR名古屋駅北の旧本社(約600坪)再開発も待ったなし。旧名古屋中央郵便局、三菱地所の大名古屋ビル建て替えなど駅前に案件が集中。同社にとっても記録的なビジネスチャンスがやってくる。社運を調べると、来年後半から上昇運。5年の上り坂にさしかかる。

11年3月期(連結)は、3%減収、5%営業増益、9%経常増益、34%増益。当初740億円に対766億円(9%増)の受注高に見どころ。工事採算も改善している。12年3月期(連結)は、売上高770億円(4%増)、営業利益20億円(7%減)、経常利益21億円(同)、純益11億円(18%減)と慎重な見通し。配当は10円(中間5円)を据え置く予定。受注高765億円の計画。震災の影響や受注競争、資材高など加味したもので踏ん張りどころ。次期から様相が一変することも考えられる。

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