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企業レポート

品質に定評  エイケン  1月24日 (2014.01.23)

浜岡原発横目に健闘 

国内の落ち込み海外で吸収

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エイケン工業(7265・JQ)は前期反転。後半持ち直した。昨年10月16日の上方修正によるもので今期続伸。踊り場を抜け出しそうだ。円安に拘らずアジア、欧州、中南米向け輸出が好調。前期16年振りに最高になったほか、昨年11、12月高水準。例年落ち込む1月も堅調という。依然円建てだが、20%以上円安となり割安感が手掛かり。品質に定評があり、国内の落ち込み(前期10%減収)を海外で吸収している。前回述べた塗装、プレス、梱包、など一貫生産に伴う省力化と在庫・外注減など一昨年1月稼働した第7工場効果。さらに、300トンプレスの部品受注増も寄与している。リーマンショックから5年有余、猛烈な円高、東日本大震災、原発事故に伴う混乱にあって躊躇なく大型投資をこなした。このため、同社を訪れた同業や商社、石油元売りの間で感嘆の声しきり。もう1棟西側に必要で具体的な検討に入る模様。既存製品と一線を画した大型車用フィルター、高性能オイルフィルターを投入。国内で激戦に晒されているが、揉まれるほど品質や性能、価格など海外で競争力がつくのも事実。早くからボッシュが認めたように、徹底して補修用フィルターに打ち込んでいる。一方、燃焼機器が熱交換器とバーナー部品に特化し前期増収増益。吹っ切れたようだ。自動車用フィルター事業約95%。内燃機関等を動力とするもので、ハイブリッド、EV、燃料電池車も登場し次世代目前。しかし、マツダ(7261)がスカイアクティブで息を吹き返したように、ガソリンや軽油の可能性に賭けているところが魅力的。やがて第7工場の南側に新工場が稼働すると、高品質・低コスト一貫生産体制のインフラが完成する。第2、第3の大型車・高性能フィルターの開発に呼応するものだ。

 2014年10月期(非連結)は、売上高48億2000万円(2%増)、営業利益2億6100万円(9%増)、経常利益2億8100万円(4%増)、純益1億7700万円(6%減)の見通し。配当は期末12円を据え置く方針。設備投資2億5000万円(前期1億7000万円)の計画。機械更新が大半という。昨年7月から自動車部品大手の事業に参加。スキルアップを通じて人材育成が見込まれる。今年から上昇運。2017年(創業50年)にかけて上り坂。早馬社長(58)が先行しただけに今、来期締まると楽しみだ。最高純益(98年10月期3億2800万円)更新も夢でない。前期10%落ち込んだ国内より21%伸びた海外売上高によるもの。中電の浜岡原発を横目に健闘している。

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