僅か1年で様変わり 日東工業 1月7日 (2014.01.06)
7年振りピーク更新
現場を触覚にメーカー色補完
日東工業(6651)は脱皮中。1、2Q計画線。3、4Q強含み。来期堅調の見通し。延べ70億円計上したキャビネット大型案件が剥落。接続・集電箱など太陽光発電システム関連製品が前期67億円に対し120億円貢献。今期から連結子会社サンテレホン、南海電設のフル寄与が見込まれるためだ。前回、グループ経営本格化と述べた。垂直統合と一線を画し、ネットワークインフラとマーケティングの連携に見どころ。メーカー機能を補完し市場ニーズに呼応するもので、エンジン音が静かになると付加価値が上がる印象。3Qで実質1年になりサンテレホン予想以上、南海電設今一歩という。しかし、双方前向きで一体化が見込まれ、来期から徐々に相乗効果。新しいビジネスモデルも考えられる。一方、2009年7月豊田自動織機と共同開発した充電スタンド。13年1月単独で壁掛けタイプの普通充電器を発表。同7月には急速充電規格「チャデモ」に準拠した独自の新製品を投入し話題を呼んだ。普通と急速両方設置すると、受・配電設備が必要なため、既存事業に跳ね返る仕組み。政府は12年度補正予算で充電器普及に1005億円計上。13年3月から充電設備の設置者に対し費用の最大3分の2を補助する制度を立ち上げた。支援材料に違いない。絶好のプラットホームづくり。初年度10億円を目指すという。このほか、ホームエレクトロニクス関連で分電盤の品揃えに意欲。太陽光発電製品に次ぐもので次の支柱といわれる。前回述べたタイのエレットは洪水で一皮むけた感触。当時現地従業員が30人ほど来日した経緯もあり年30億円レベルに復活。期待をもてる。中国河南省の新工場は昨年2月稼働し1年足らず。日中対立が気になるところだ。
2014年3月期(連結)は、売上高950億円(23%増)、営業利益100億円(19%増)、経常利益102億円(14%増)、純益58億円(13%増)の見通し。7年振りピーク更新。修正していない。5円増配し44円配当(期末22円)の予定。設備投資37億円(前期39億円)の計画。来期も同水準という。ざっと配電盤4割、キャビネット3割、サンテレホン関連が2割を占め軸足が決まった。僅か1年で様変わり。一途につくって売るメーカー色が後退し、現場のネットワークインフラ、マーケティング機能が触覚になった様子。2018年(70周年)になるとわかる。14年後半から上昇運。15、16年強いエネルギーが巡ってくる。90年6400円を上場来高値に00年485円が同安値。半値戻しを計算すると3440円。もち合い放れが迫ってきた。