円安追い風 ノリタケ 12月17日 (2013.12.16)
次世代インフラ稼働
復活のきっかけつかんだ食器
ノリタケ(5331)は底入れ。反転途上。3、4Q予想を上回る見通し。13日、東京外為市場で円ドル103円74銭(5月安値)を更新。17~18日FOMC次第でさらに円安が見込まれるためだ。下期の基準レート95円(当初90円)。上期、計画より5.9円の円安で売上高15億円、経常利益10億円増加。11月以降円安が目立ち、同7日下方修正、減配を発表しただけに追い風。3Q発表(2月5日の予定)が注目される。前回、6月27日に種村会長(65)と小倉社長(62)を中心とする新体制が発足。来年(創立110年)にかけて次世代のインフラ続々稼働と述べた。現に本社工場を三好に集約移転。研磨材やダイヤモンド工具など生産ラインを刷新中のほか、跡地再開発にノリタケの森と馴染む商業施設・マンションが具体化する見込み。海外でも昨年9月タイのサラブリ県で研削工具、今年10月中国蘇州で研削砥石工場が稼働し、ST(スペシャルトレーナー=品質管理や標準化に精通した人材)を派遣。主力の工業機材部門(2Q連結累計42%)に技術系社員を営業に送り出した。一方、航空、医療など新分野に開拓余地。自動車、ベアリングに次ぐフロンティアといわれ、初の技術系社長として品質、スピードを掲げ取り組む構え。直近、燃料電池用接着剤、3Dプリンター用石膏材料開発が話題になった。さらに、来年国内初のディナーセット完成から100年。食器(2Q連結累計11%)見直しに舵を切ったのも事実。1973年から40年スリランカで生産され、現在国内10%。500億円をピークに前期連結83億円に落ち込み、今期90億円の計画だが、100億円が損益分岐点といわれる。洋食器100年に対し、今年和食が世界遺産に登録され、日本の伝統食器普及を外国から持ち掛けられたという。同社は伊万里に生産拠点があり、本気になれば100億円程度取り戻すとみられる。
2014年3月期(連結)は、売上高890億円(1.4%減)、営業利益4億円(6.2倍)、経常利益13億円(14%増)、純益8億円(51%減)に見直した。配当6円(期末3円)の方針。設備投資53億円(前期83億円)の計画。9月27日と11月7日修正したが、11月から急ピッチな円安を加味すると3、4Q上振れ。来年から上昇運だけに今後期待をもてる。和食が世界遺産になった以上、外国によらず日本のメーカーが食器でもてなすのも道理。次の100年、和食器の時代といえなくもない。9月27日600万株(上限17億円)の自社株買いを発表しており暮れ、年度末にかけて水準訂正。明らかに復活のきっかけをつかんだ。