証券ビュー

企業レポート

絶好のポジション  名工建設  12月10日 (2013.12.09)

戦後最大のスケール 

名駅スーパーターミナル構想 

企業HPご案内 前回の企業レポート

名工建設(1869)は上方修正。2Q連結累計最高の折り返し。大きなアタリがきている。JR東海から受注した新幹線大規模改修工事205億円(3年分)がきっかけ。今年度着工した名駅1丁目計画(日本郵政新ビル)、来年度着工予定のリニア新幹線を勘案して戦後最大のスケール。2027年品川―名古屋開業を巡り、13日関西経済界が「同時開業」を目指し決起集会を開くだけに規模拡大も考えられる。名駅1丁目計画には旧本社再開発推定500億円が含まれ総動員体制(前期末連結1384人)。2015年10、11、12月にかけて名古屋駅前に大名古屋ビルヂング(175m)、郵政新ビル(196m)、JR東海新ビル(220m)が相次ぎ竣工の見通し。フル稼働に拍車がかかりそうだ。同社の場合、来年後半から3年上昇運。天もゴーサインを出した。今期の個別受注高を990億円(24%増)に見直し安全、品質確保、技術力向上に重点。震災復興、円安、五輪招致など資材、工賃高騰を極力吸収。今後ピーク更新が見込まれる。野田社長(64)、前社長もJR東海で新幹線保守を担当し維持、補修を巡り安全のプロ。JRの基準は土木と建築、官公庁と民間でも厳しいという。リニアは1962年開発着手、64年東海新幹線開通から50年を数え災害の備えが最大の目的。品川―名古屋全長286キロ。南アルプスを貫通するトンネル工事が難関といわれスーパーゼネコンでないと困難のようだ。一方、地元名古屋駅周辺でスーパーターミナル構想が持ち上がっているのも事実。名鉄の高速化検討や中部国際空港、名古屋道路公社など鉄道、道路、空港インフラの再構築も動き出した。同社にとってビジネスチャンスに違いない。しかし、御馳走が一度にどっと出てきた印象。オハコの安全、品質やSMIC工法など技術で持ち味を発揮。予想される区間新、ピーク更新を見たいものだ。

 2014年3月期(連結)は、売上高800億円(8%増)、営業利益20億円(13%増)、経常利益21億円(5%増)、純益11億円(4%増)に修正なし。配当10円(期末5円)を据え置く予定。売上高こそ最高だが、進行基準や工事原価、販管費の上昇を加味して慎重。固定資産圧縮が進み現預金急増。2Q末1株当たり連結純資産1042円。業態が東鉄工業(1835)と似ており明らかに割安。3、4Q水準訂正が本格化しそうだ。五輪招致も支援材料で、今期の計画をクリアできれば来期以降いけるという。2021年(80周年)にかけて絶好のポジションにつけた。

>>購読ご案内