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企業レポート

引き締まる 岡谷鋼機   4月11日 (2011.04.11)

1Q発表から新しい流れ

新計画発表し人材育成最優先

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岡谷鋼機(7485)は復調。バランスを取り戻した。前期ほぼリーマンショックを吸収した矢先、3・11東日本大震災。今期予想に合理的な根拠なく、前半白紙の情勢だが、後半復興需要や円高修正が見込まれ事実上前期並みの見通し。現場から上がってきた情報によると、前半15%減収、20億円程度持ち出しの模様。一方、再び連結売上高1兆円、純益100億円(16年2月期)を掲げ新中期計画を発表。通過点として同8000億円、同80億円、海外取引比率30%(14年2月期)にも言及。米欧の金融危機や円高株安など前期未達に終わった07年4月の旧中期計画実現を目指す。数値目標は同一で、連結売上高(前期6441億円)、海外取引比率(同24%)の伸びが焦点。人材育成を最優先し、国内シェア・海外取引拡大、技術革新、環境など取り組み強化。震災復興支援に協力する。足もとが厳しく難しい対応を迫られ、電力供給の制約を念頭に置いているだけに引き締まった。昨年10月以降踊り場に入ったが、1月11日と28日上方修正。3月22日には係争中だった旧加ト吉債権48億9100万円のうち、貸倒引当金に計上した20億5400万円を今期1Q特益に計上する。依然ポジティブな印象。7日代表取締役、役員、担当区分など人事異動発表もそうで、岡谷健広(37=おかや・たけひろ)常勤監査役が情報・電機事業担当、プロジェクト本部長・海外関連事業部長兼務の常務に内定。新計画の目玉になっている。1669年創業の老舗。342年目を迎え、09年から50年に一度の収束期入り。社運を見ると、今年は前半に限るそうだ。

前期(連結)は、15%増収、営業利益4.9倍、経常利益4.5倍、純益9.8倍。急激に落ち込んだ直前期の反動。後半慎重に構え事なきをえた。生活産業(15%営業減益)を除き堅調である。子会社収益の改善も目立つ。12年2月期(連結)は、売上高6500億円(1%増)、営業利益85億円(同)、経常利益100億円(0.7%減)、純益75億円(2.5%増)の見通し。配当は22円(中間11円)を据え置く予定。設備投資29億円(前期26億円)の予定。償却40億円(同42億円)を下回る。従来500株以上の株主に新潟産新米こしひかり2キロ(2月末)、1000株以上同5キロ(8月末)の優待を地産地消に見直し、地元「山の幻 愛知米ミネアサヒ」5キロ、同に改めた。市場では8日9時10分990円まで買われ好感している。1Q発表(前期7月7日)から新しい流れになりそうだ。NZにつぎ東日本大震災にも義援金を送っている。

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