年度末に拍車 サンゲツ 11月6日 (2013.11.05)
予想以上の折り返し
消費税織り込み引き上げ後存在感
サンゲツ(8130)は続伸。予想以上の折り返し。一段と締まっている。3、4Q需要期。年度末拍車がかかりそうだ。9月の住宅着工8万8539戸(19.4%増)。13ヵ月連続増加。92年6月~94年2月の21ヵ月以来20年振り。4~9月49万9032戸(12.7%増)のうち、持ち家8万2940戸(13.5%増)をはじめ貸家、分譲住宅など半年後インテリアに跳ね返る見込み。97年の消費税引き上げ当時、翌年10万戸落ち込んだものの織り込み済み。来年度持ち越し、反動を勘案して再び80万戸台が目安という。インテリアは新築にひきかえリフォーム2割、商業施設5割といわれシェアアップに意欲。依然、壁紙50%、床材10%、カーテン7%前後の模様だが、むしろ引き上げ後が見どころ。米国のデフォルト危機が尾を引くとみられ、円安、株高、金利上昇など消化難。輸入インフレ、日銀の出口戦略も懸念材料。混乱の恐れがある。その点、営業キャッシュフロー84億円(2Q連結累計)、自己資本比率85.4%(同)の同社に存在感。業界再編に対応できる。見本帳による品質や機能、省エネ提案のほか、3年前から東京店で廃見本帳リサイクルも手掛かり。NPO法人の協力により障がい者の自立支援を目指すもので、2010年度11トン、11年度52トン、12年度69トン。従来廃棄処分の見本帳58%が古紙、36%占める塩ビ壁紙や床材の現品見本が中国、韓国で再生塩ビ樹脂にリサイクル。計94%にのぼる。現在東京10、愛知県6ヵ所の福祉施設で処理しているが、100%を目標に受け入れ交渉中。ゼロエミッションを実現すると三方よしだ。連結子会社はエクステリア69億9000万円(営業利益2億900万円)、照明器具16億1400万円(営業損失2億700万円)の折り返し。通期前者140億円、後者40億円の見通し。堅調なエクステリアに対し、照明がLEDの過当競争に巻き込まれた。下期黒字計上を目指す。東京五輪が決まっただけにビジネスチャンスだ。
2014年3月期(連結)は、売上高1290億円(5%増)、営業利益91億円(14%増)、経常利益94億円(12%増)、純益55億円(14%増)の見通し。修正していない。配当75円(中間37.5円)の予定。設備投資38億円(前期12億円)の計画。床材増強に伴う稲沢物流センター、取得済みの東京店隣接地で事務所棟の増築。ルーツ壁紙で圧倒しているが、床材、カーテンが盛り返すと続伸に弾み。3、4Q原価高をこなし上方修正も考えられる。2011年(創業160年)と13年(設立60年)が節目。次世代入りを告げるもの。14年から21年まで長大運。願ってもないポジションにつけた。前期連結最高益を更新し、首相の依頼がなくても賃上げの見込み。事実上、1株当たり純資産(前期連結3088円)が額面と考えられる。