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企業レポート

式年遷宮に実績  岡谷鋼機  10月8日 (2013.10.07)

海外リード国内持ち直す 

一段と現地対応進み採算改善

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岡谷鋼機(7485)は連結堅調。1、2Q 尻上がり。4期連続増収、計画を上回る増益で折り返した。国内(4.7%減収)にひきかえ、海外(15.3%増収)がリード。取引の30.9%(中期目標30%)を占めた。タイ、中国中心に自動車関連が伸びているためで、懸案の現地対応が一段と進んだ。土木・建築を除き国内が今ひとつ。一連の政策効果に消費増税、法人減税、五輪、リニアなど思惑が綱引き。消費税の場合、3、4Q駆け込み、次期1、2Q反動を加味して織り込み済み。震災復興をきっかけに五輪、リニアが視野に入った。しかし、東京一極集中になると名古屋のホテルが空っぽ。バランスを取るのが肝腎。海外取引が30%を突破したのも国内減収のためで、昨年9月グループ入りした新池田(山形)、今年9月鉄鋼販売2子会社合併など小口取引を積み上げ急がば回れ。リーマンショックから5年、2010年2月期をボトムに直近3月採算が大幅に改善した。今期連結計画通りなら、営業利益がピーク(07年2月期156億円)の90%、純益も同(06年2月期102億円)の88%に回復。2011年度スタートした中期計画の純益100億円(16年2月期)目前である。中間期の連単倍率が売上高1.35(前期末1.33)、営業利益2.06(同1.81)。自己資本比率30.4%(同28.4%)。有利子負債903億円(同997億円)。日経平均が1829円上昇し投資有価証券138億円増加。計1004億円を数え実質無借金になった。インフレに強い。1000円で75億円動くことから、予想される半値戻し2万3000円でさらに675億円増加。ピークから2400億円失い半分取り戻すことになる。今期、主力の鉄鋼、情報・電機、産業資材、生活産業全部門増収の見込み。今年後半から社運上昇。国内が持ち直すとみられシェア拡大。2019年(創業350年)が五輪の前年だけに、人材の活性化が次世代の課題になりそうだ。

 2014年2月期(連結)は、売上高7500億円(8%増)、営業利益140億円(23%増)、経常利益150億円(12%増)、純益90億円(3%増)に修正なし。配当25円(中間12円)を据え置く予定。設備投資29億円(償却38億円)の計画。順調なら3Q(昨年12月27日発表)上方修正も考えられる。来年5月下旬の総会承認を条件に一単元500株を100株に変更。5株を1株に併合し、現行4860万株が972万株に減少。同9月1日から実施される。株数が5分の1になっても1株当たり純資産5倍。資産価値に変わりない。11月1日、13代目の岡谷社長(69)が28代名古屋商工会議所会頭に就任の見込み。祖父の10代目岡谷惣助氏以来80年振り。日本商工会議所会頭に就任予定の新日鉄住金相談役・三村明夫氏と旧知の仲。公職100以上、要職も多い中、活躍を期待する声が多い。減益要因といわれるが、任期3年なら増益につながる公算もある。2日内宮、5日外宮でも伊勢の式年遷宮が終了。今回も社殿の屋根、欄干に飾金物(かざりかなもの)、包金物(つつみかなもの)が取りつけられたが、1889年の遷宮から7回連続同社の実績。9年がかりで製作し納めたという。包金物は厚さ1.6ミリの銅板を並べ、磨き、金箔をはり重ねるもの。内宮の正殿だけで長さ60~140センチの部品が70個必要。20年たっても輝いているという。

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