証券ビュー

企業レポート

前期から様変わり 大同メタル   8月9日 (2011.08.08)

核心に迫る今期の対応

国内再構築と米国再挑戦が焦点

企業HPご案内 前回の企業レポート

大同メタル工業(7245)は高水準。予想以上の滑り出し。前期から様変わりだ。財務、生産、販売、物流拠点再構築にコスト構造改革を盛ったサバイバルプラン実現。欧州中心に鉛フリー軸受の海外受注が拡大しているためだ。前期5年ぶり黒字転換し、最高純益81億2300万円(税効果37億3600万円)計上。当初12円復配予定が20円(期末14円)になった。6月29日、サバイバル計画推進本部長だった樫山社長(64)就任。7月1日から新体制。今期の実績を踏まえ、来期スタートする新中期計画で経営の安定と事業拡大。具体的に自動車・非自動車各分野世界シェアアップ、世界5極体制、技術開発強化など連結売上高1000億円(経常100億円)を目指す。事実上リーマンショックを吸収し、震災を通じて国内外拠点を見直しているが、円高デフレに伴う国内再構築と昨年9月末撤退手続きが完了した米国再上陸が焦点。核心に迫るもので2Q(前期11月12日)、3Q発表(同2月14日)に織り込まれる見込み。7月から米欧財政不安再燃、国内も政府の震災対応が不十分だけに企業レベルの適応が決め手。4期連続赤字の末、最高益を計上した前期の体験が生きてくる。同社グループは、自動車用軸受で世界シェア推定3割の最大手。建機や産機、船舶でも有力な存在。自動車の場合、前期延べ2300万台世界に供給し、2015年まで1000万台需要増が見込まれるという。社運を調べると、前、今期調整運で来期後半から上昇運。4、5年続くという。

1Q連結は、9%増収、29%営業増益、65%営業増益、純益2.5倍と上々。自動車用(7%営業増益)、同エンジン除(12%営業増益)、非自動車(21%営業増益)も締まっている。12年3月期(連結)は、売上高680億円(7%増)、営業利益88億円(14%増)、経常利益83億円(24%増)、純益44億5000万円(45%減)の見通し。配当は14円(中間7円)の予定。設備投資61億円(前期27億円)の計画。岐阜県関市に集約した国内生産拠点見直しと、北米現地生産再挑戦に見どころ。鉛フリー軸受はトライボロジーの粋。バイメタル、精密加工、表面処理など非常に美しい。09年(70周年)を節目に2度目の事業確立期。8月5日今期予想を発表したばかり。第2幕がやってくる。

>>購読ご案内