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企業レポート

年明け高い スズケン 12月1日 (2010.12.01)

3、4Q切り返す見通し    残り54%交渉遅延取り戻す

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 スズケン(9987)は3、4Q反転。持ち直す見通し。2Qまで46%妥結にとどまった交渉遅延・価格競争を織り込んだ。今年4月実質6.5%薬価引き下げに伴うもので、3Q以降残り54%を「一刻も早く実現する」(太田社長)のが課題。伸び盛りの医薬品製造事業が開発・償却負担増で今期も営業減益だけに、メイン医薬品卸売事業(2Q連結累計23億3900万円営業損失)の切り返しが見込まれる。3Q発表(前期2月5日)が新たな手掛かりになりそうだ。1、2Q明るい材料がなかったものの、次期神奈川や千葉など首都圏で立ち上げた物流拠点がフル寄与するほか、花粉症や新型インフルエンザの揺り戻しが伝えられ、5月18日述べたようにジャンプ前のステップと考えられる。厚労省は11月24日、08年度の国民医療費が34兆8084億円(2%増)で最高と発表。25年度まで毎年2%程度の伸びという。高齢化と医療技術の進展が主因。つまり、マーケット自体堅調な見通しで、連結売上高2兆円を掲げた従来の目標に落ち度はない。事業環境が大きく変化し、中期計画の再策定に取り組んでいるが、地域密着全国卸、シェアナンバーワンを目指す意向に変わりない。12年(創業80年)にかけて2度目の事業確立期。来年は前半上昇運でめりはりをつける年という。

  2Q連結累計は、0.2%増収、58%営業減益、25%経常減益、27%減益。1Q1.7%増収(49%営業増益)医薬品卸事業で1億5200万円営業利益を計上しているだけに2Qがこたえた。11年3月期(連結)は、売上高1兆7684億円(2%増)、営業利益145億円(3%増)、経常利益290億円(1%増)、純益160億円(14%増)に見直した。配当は62円(中間31円)を据え置く予定。設備投資223億円、研究開発費76億円も計画通り。フェーズ3に入ったFYX-051(高尿酸血症・痛風治療薬)と、11月発表したセイフル錠の後発薬「グリメピリド錠」が展開材料。11月8日2233円を安値に自律反発途上だが、年明け高いとみられる。

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