緊迫する2Q 大宝運輸 8月27日 (2013.08.26)
犬山支店に次世代の息吹
求心力と遠心力交錯し反転待ち
大宝運輸(9040)は正念場。1Q減収減益。2Q延長上。緊迫している。直近3期最低になった前期を下回っているためだ。2010年6月11日から小笠原社長(44)と宮下取締役(55)中心に新体制。若返りを図った。しかし、リーマンショック途上、大震災、円高対応など踊り場続き。優良顧客を抱えながら荷主の価格競争に巻き込まれ、前期も書き入れ時の3Q取り戻すところで物流料金値下げの皺寄せ。2度下方修正に追い込まれた。一方、6月12日の総会で伊藤相談役と鈴木常務が退任。30年以上続いた教育立社の取り組みが和合塾打ち切りで一服。門戸解放、自力実行と三位一体だけに求心力と遠心力が交錯している。不振の前期、新規取引先40社以上、事故わずか4件(今期現在11件)にとどまり健闘。反動も考えられる。2011年7月、旧菱食中心に三菱商事系4社が統合。売上高2兆円超の三菱食品を立ち上げトップになったのが印象的。国分が3位に落ちた上、中堅や地方の食品卸も1兆円レベルに嵩上げの動き。規模拡大に伴い価格競争に拍車がかかっている。同社は大手食品メーカーや同卸とつき合いが長く影響が大きい。それに、大手物流業者の3PL攻勢も目立ち、中小や地場にとって値下げ圧力に晒されていることも事実。前期は車両約400台のうち1割代替えし、償却負担が2割増加したのも響いた。昨年11月の運動会(36回)に続き、今年3月の文化祭(29回)でグランプリを獲得した犬山支店が素晴らしい。業績も優秀で全支店をリード。次世代の息吹がうかがえる。昨年10月、顧客主催のドライバーズコンテストが滋賀県クレフィール湖東で開催され、60人の選抜者のうち犬山支店の社員が準優勝したのも明るい材料。教育立社30年のリターンとみられる。
2014年3月期(連結)は売上高92億円(1%増)、営業利益1億9500万円(25%増)、経常利益2億1500万円(18%増)、純益1億500万円(69%増)の見通し。配当10円(中間5円)を据え置く予定。3月から三好支店で始めた売電事業が予想以上。1億5000万円投入し、年間2000万円の収入という。このほか新しい仕事、独自のサービス開発に意欲。新体制が2010年(創業90年)に発足したため足固め10年。試行錯誤が続く。中間層が厚く財務も健全だけに反転待ち。むしろ、消費税引き上げから本格的な価格競争が始まる。品質と連動するため教育立社が生きてくる。会社は2015年から上昇運。社長が来年上昇運入りで期待をもてる。2、3Qが肝腎なところだ。