復活の足掛かり スズケン 7月24日 (2013.07.23)
医療一色に収斂の印象
今、来期もう一皮むける場面
スズケン(9987)は堅調。連結続伸の見通し。復活の足掛かりをつかんだ。前期の販価妥結81.7%(前回94.3%)。上期未妥結消化が課題といわれ、原則の単品・単価取引に一定の成果。粘り強い価格交渉が浸透した。6月26日の総会1時間6分。雨天に拘らず141人(昨年169人)出席。3人から前向きな質問が五つあり、丁寧に答えた会社側の意向と噛み合ってよかったという。医薬品卸業界は1%未満の営業利益率(同社の前期連結0.2%)の改善が急務。消費税引き上げが予定通りとすれば97年を前例に2014年度から3年連続薬価引き下げが予想され、15年10月2%を勘案するとさらに調整。2度手間が考えられる。一方、04年中越地震、09年新型インフルエンザ、11年の東日本大震災でも迅速に対応し使命を全うした同業界。高い評価があることも事実。別所前会長(70)後、新会長を迎えた5月23日の第1回卸連合会懇親会に総理、衆院議長、厚労相も顔を出した。国民皆保険のもと、国内医療用医薬品の流通推定96%を握るだけに今、来期焦点。 長期収載品の市場縮小に対し、新薬創出加算品と後発医薬品の市場拡大待ったなし。規制改革原案では現行制度の対象拡大。保険診療と保険外診療を組み合わせた混合診療の解禁も視野に入った。治験中のiPS細胞、がんワクチンなどテーラーメイド対応も不可欠。同社は2012年3月1日全額出資でSDネクスト(資本金5000万円)を立ち上げ希少病領域の総合支援を始めた。同社の場合、医薬品卸売事業(前期連結売上高の95%)を中核に医薬品製造(同3.6%)、保険薬局(4.1%)、医療関連サービス事業(同1.3%)の構成。稼ぎが医薬品製造(営業利益42億円)、医薬品卸、保険薬局、医療関連サービスの順でいびつだが、総会で事業目的の追加と削除を決めた定款変更が認められ医療一色の印象。医薬品製造事業ひとつ、糖尿病治療のベストパートナーを掲げ子会社を支援。主力セイブル錠のほか、スイニ―錠処方拡大、製造承認中のFYX-051(高尿酸血症・痛風治療薬)育成などひたむき。川上から川下、現場を通してトータルソリューションに収斂するものだ。
2014年3月期(連結)は、売上高1兆9705億円(4%増)、営業利益128億円(14%増)、経常利益285億円(4%増)、純益162億円(13%増)の見通し。配当50円(中間25円)を据え置く予定。設備投資145億円(前期116億円)の計画。昨年11月全国9番目の岡山物流センターが稼働し、前回述べた名古屋郊外に3.4haの物流拠点用地を取得。東海3県を対象に大規模災害に備えるものという。会社は3Q以降来年上昇運。今、来期もう一皮むける場面。医薬品卸売事業の営業利益率が0.27%以上になると上方修正。1、2Qの踏み込みにかかっている。