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企業レポート

急ブレーキ 武蔵精密   5月12日 (2011.05.12)

トータルで機動的な対応

5月後半にホンダが事業計画

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武蔵精密工業(7220)は反転一巡。急ブレーキがかかった。前期4Qの震災・円高によるもので、ホンダの被災と減産が主因。前期ほぼリーマンショックを吸収し、国内と海外8ヵ国の全生産拠点黒字になった矢先、4~6月生産調整に入った。ホンダは5月後半に今後の事業計画をまとめるというが、現時点で11月が通常操業の目安という。同社の場合、主力製品のボールジョイント、カムシャフト、ギアなどホンダグループ依存度73%(前期連結)。うち4輪55%、2輪車45%。今期半々か逆転の見込み。2輪車は採算がいいうえ新興国向け伸びも高いためで、これまでの成功モデルを4輪車に応用できる。事実、今回の調整は「事業再編の必要がない。実際に需要があり供給側に問題がある」(大塚社長)と持て余している印象。稼働日調整は週3日という。直近3期リーマンショックと円高にもまれ、前期の連結営業利益率10%に回復。ピーク(08年3月期10.2%)に迫り、しのぐところにきた。08年(創業70年)を節目に2度目の事業確立期(同80年)序盤の域。今年の社運は絶好調で夏場過ぎに本格化という。1、2Q何をするかで決まってくる。

11年3月期(連結)は、17%増収、営業利益2.2倍、経常利益2.1倍、純益91億8500万円と予想以上。計画を上回った。絶対額を含めアジア(76%営業増益)と南米(65%営業増益)がリード。売上高は全体の半分だが、利益の7割稼いでいる。12年3月期(連結)は白紙予想。1Q(前期7月30日)、2Q発表(同10月29日)が待たれる。直接被災していないだけに、開発から生産、営業までトータルで機動的な対応を目指している。3割弱が「外部顧客」とあって、比較的糊代が大きいのも魅力。インド、中国、ベトナムのほか南米も増強に踏み切るとみられるためだ。やがて震災をこなしピーク更新が見込まれる。2000円(1株当たり連結純資産1499円)中心のもみ合いに見どころがある。

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