反発して始まった日経平均株価は売り注文の勢いが強まり、前週SQ値を下回って大引け。
財政政策は実施して効果を得るまでに予算の成立と実行などに時間がかかることが難点だ。
財政収支は悪化するが、その最大の副作用はインフレなのだから、
デフレへの後退が心配な現状では恐れる必要はない。
インフレ目標を達成した後に財政を引き締める手順を決めておけば足りる。
「必要にせまられる前に行動をとる」「問題が大きくなる前に摘み取っておく」
というProactiveなアクションを国民が政府に求めているのに、
「不安の増殖」で社会を混乱させ経済活動を急激に低下させているのが現実。
フランクリン・ルーズヴェルト米大統領が大恐慌最中の就任演説冒頭で述べたのは
「われわれが恐怖すべきことはただ一つ、恐怖そのものなのである」。
不特定多数の人が来店することを前提とする飲食店などサービス業や観光業では、
新型コロナウィルスの恐怖や感染防止対策のために人がまったく来なくなってる。
体力のない零細企業が既に短期間で倒産した報道が連日ながれている。
廃業してしまえば蘇生させることが難しいのは失われた20年で経験済。
その負の影響が従業員や取引先、与信金融機関に広がるのをリーマンショックや
東日本大震災でも国民は耐えてきたのに押しつけがましいaggressive政策の連続。
昨年10月の消費税率引き上げ後の消費支出は増税前の駆け込み需要の反動減の影響で
前年同月比マイナスが続きな上に新型コロナウイルスを巡る混乱が加わり
反動減からの回復どころかさらなる落ち込みとなる公算大と相場がアナウンス。
国民に広く実質的な所得の改善効果と消費へのインセンティブを与えることが肝心。
経済面では「延期や先送り」による犠牲者を出さないための緊急措置が発動されれば、
温存された体力で後の各種の需要と経済効果を喚起する期待がもてる。
つまり、過去に起きたことが(それが比較的短期間でも)将来に不可逆的な影響を
与える現象「履歴効果(ヒステリシス)」の遮断が必要であるばかりでなく、
「非常事態」はデフレ脱却に向けた政策転換を採ればピンチがチャンスになる。