過去40年金より強い円 金売りトイレットペーパー買い (2011.07.15)
NY反発にかかわらず円高の重し。踊り場が続いている。13日FRB議長証言を受けたもので、禁断症状に対し三たび追加緩和。ほかに方法がない。15日の欧州銀資産査定発表も同類。ムーディーズやS&P、フィッチなど格下げ横行。米欧とも蟻地獄にはまった。そのせいか、NY金先物が13日1588ドルをつけ新高値。連中、何か起きると金を持って逃げだすことばかり考えている。日本は正反対。3・11直後何を売り、何を買ったかお伝えする。震災に伴いグラム3800円前後の高値にあった金が売られ、石油ショックと同様にトイレットペーパーが買われた。日本人は金に執着がなく、危機に際しめいめい持ち場を守るという決意表明。どんなに困難でも逃げずに自分の家や職場の日常を維持しようとした。復興が遅れ、原発事故後遺症も尾を引くとみられるが、震災で金を売りトイレットペーパーを買う国。世界で日本しかない。地域社会、産業界挙げて復活を実現し、さらに強い経済に生まれ変わるに違いない。来月15日、ニクソンショックから40年。当時360円でつくったものを、今日78円で売っても貿易黒字を計上する国で、この間購買力4.6倍。逆にいうと、当時360円出さないと買えなかったものが78円で手に入る理屈。金に対してもそうだ。円建てによると、13日グラムあたり4000円。29年ぶりの高値という。しかし、年平均最高だった1980年4499円の89%、同年の最高値6495円に対し61%に過ぎない。つまり、過去40年金より円の方が強かったわけだ。米欧や中国にひきかえ勤勉な国民性、健全な製造業、節度ある日銀の金融政策など幸いした。世界各国がドルをはじめ不換紙幣一色になり40年。現在最強の通貨が円。金より価値があるわけで、今後も日本人にとって励みになる。金を特別扱いせず、日常の交換や貿易決済に使ってきた経緯がすばらしい。ちなみに、金銀比価。金に対し銀の交換比率を示すもので、幕末から維新にかけて外為取引が活発化。海外の比価15に対し国内5が受けた。このため、外資が寄ってたかって銀を国内に持ち込み濡れ手で粟。日本の金を海外でさばき大儲けした。しかし、1859年6.4だった比価が翌年18.9に急騰。たちまち収束したという。米国の消費者物価指数によると、1665年から1905年まで240年小動きで安定していたが、1913年FRBができてから98年間インフレばかり。ドルを刷りまくっているためで、資産でなく負債を根拠にマネーが供給されるようになったという。借金がふえないとマネーサプライもふえないしくみだ。2年後、FRB創立100年。GMは、09年6月1日連邦倒産法第11章適用を申請。創立100年で世紀の役割を終えた。
日経平均は27円安。後場一時円が急落し9936円の引け。出来高17億6700万株、売買代金1兆1300億円。円やリートにも日銀の小刻みな介入が伝えられ膠着状態。週末、3連休明けも円高に引っ張られそうだ。個別に■■■(****)が再動意。294円まであり打診買い。直近2期様変わり、今期も予想以上とみられる。■■(****)、■■■■(****)が堅調。■■■(****)、■■■■(****)は買い下がり。15日は■■■■(****)の決算発表。見切るというなら拾うまでだ。およそ、世間の通説には、長年積み重なった誤解や偏見のかたまりが多いという。7~9月真贋を問われるところだ。 (了凡)