7~9月波乱のシグナル もみくちゃになると最後に金 (2011.07.14)
売り一巡後買い戻し。小動きにとどまった。朝方円ドル78円台に振れ、4ヵ月ぶり高値更新。その後一服したが、7~9月波乱のシグナルが出た。6月20日述べたように、円ドル70円ないし60円を視野。まさかのトレンドとみられる。6月末一巡した米欧金融政策の限界によるもので、円ユーロも近く1月高値107円を突破。11年ぶり最高値(2000年10月25日89.36円)を更新する見込み。米欧は7月から地獄の1丁目。中国が2丁目。大本営発表としつこい信用不安が交錯し堂々巡り。しばしば痙攣におびえる筋書き。日本のバブル崩壊と比較にならない致命傷を負った。ことに、米欧の金融危機は表面的に小康を保っているが、すでに手の施しようのない状態。たとえば、殺人保険証券といわれるCDS市場。クレジット・デフォルト・スワップ。昨年8月以降、社債の債務不履行リスクによる保証料率より、世界各国政府の国債の同リスクに対する保証料率の方が高いという異常事態。市場は、企業より先に国がデフォルトに追い込まれると判断している。昨年5月ピークを迎えたギリシャ危機より今の方がはるかに深刻な事態。IMFは資金回収期限を原則3年と定めており、2013年を待たず米欧の「身内同士」が修羅場を迎えた。日本も引っ張られるが、7~9月最善を尽くせば乗り切れる。これまで20年、一部始終経験した資産デフレ、円高、リーマンショック、さらに3・11のおまけつき。復旧、復興、復活に向けて三たび立ち上がった。必要な資金を国内で調達。曲がりなりに回っているためで、何か起きるたび消去法で日本国債に緊急避難。いずれ、円高が株高につながるはずだ。気になるのが、米国30年債利回り急騰。1929年の大不況後、株のリバウンドに呼応して回復した当時米国の高格づけ企業の社債利回り急騰に似ているという。当時の債券は景気と連動して山や谷を迎えた。金利は1932年景気の大底、実体経済の悪化を見越して急騰。それが一段と資本市場を圧迫した。つまり、債券はインフレ、デフレにも弱いという。きわめつきが今回のケース。08年9月リーマンショックをきっかけに昨年起きた欧州国債市場の金利急騰、今夏から表面化しそうな米国の州債、自治体債のデフォルト危機。1930年をしのぎ深刻かつ長期的な大調整とみられる。市場が強気に振れると暴落、弱気に振れると暴騰するといわれるうねり。徐々に拡大しながら7~9月にさしかかった。7月8日前後踊り場入り。逆張りで対応するところだ。
日経平均は37円高。3日ぶりに反発し9963円の引け。買い戻しを除けば取るに足りない内容である。出来高17億5100万株、売買代金1兆円にとどまった。敢えていえば、資本財や中間財をリードする工作機械や電子部品が高い。11日述べた■■■■(****)467円、■■■(****)638円、■■■■■■(****)752円。■■■■(****)696円、■■■(****)273円、■■■■(****)870円など相場が残っている。これに対し、■■■■(****)と■■■■■■(****)は中長期囲い込み。7~9月最安値を拾う場面。ペーパーマネーや債券、株がもみくちゃになると最後に金、リサイクルも受け皿。金メッキ、ETF水増し説が影を落としている。1980年1月金の急騰時と現在の物価水準を比較すると、現在1500ドル台でも割安。2000ドル抜けに相当するという。切り札は、■■■■(****)である。(了凡)