徐々に日本が主導権 米国と官僚を敵に回した前政権 (2012.07.25)
買い戻しが入り自律反発。下げ渋った。明けても暮れても欧州債務問題。米国も債務保証し一喜一憂。期限がくるか、資金が底をつくまで先送りの印象。何も解決しない。日本のバブル崩壊にたとえ、住専レベルと述べたが、欧州の場合、シリア内戦もめくらまし。90、91年ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で米国、NATO、国連まで調整に入りガス抜きしたのを思い出す。武器、弾薬、軍隊も在庫調整しないと回らない。緊縮財政、増税の一点張りではもたないわけだ。EU財政査察団のアテネ入りが24日というが、スペイン救済案を決めたのにかかわらず、ドイツの憲法裁判所がESM(欧州安定メカニズム)を合憲か違憲か判断するのが9月。つき合っていられない。前日述べたように、欧米にとって日本の前例が見本であり手本になった模様。ことに、01年からゼロ金利政策で国民の預貯金利息をまるまる取り上げ、不良債権処理と金融機関の内部留保に充当。直近、日本のメガバンクが欧米の大手銀をしのぐ体力をつけたのが癪の種。日経平均の下げが大きいのは外資のポジションによるとみられ、ずっと割高な欧州主要国と対極。乱発した国債の信用を株高で支えている面もうかがえ、20年以上株安を放置したまま財政再建、増税を打ち出した間抜けな政府と正反対。たった9ヵ月で政権を投げ出した鳩山由紀夫のインタビューが面白い。野田政権は鳩山政権の失敗から学んだ。日本では米国と官僚に抵抗してはならない。前政権は両方やったため政権を追われた。両方敵に回すとどんな政権も息の根を止められる。今の政権は逆を始めた。米国と官僚のいいなりになればキープできるという。米国を怒らせたのは普天間基地。官僚には事務次官会議の廃止が問題になった。してみると、地元の反対を押し切って23日夕、オスプレイ12機が米軍岩国基地に陸揚げ完了。日経が24日2面に「拒めぬ首相」と「引けぬ米国」をひき合いに無力な記事を出したのもわかる。これから半年1、2、3の相場。1年後、現体制がもつと限らない旨述べたが、消耗戦の余地に言及したもので、目鼻がつく見込み。日本は曲がりなりに資金が回っても、欧米や中国は困難になると考えているためだ。むしろ、FRBが第3次緩和に踏み切った直後から副作用。来年ちょうど100年だけに仕掛けがある。
日経平均は20円安。8488円の引け。出来高16億4100万株、売買代金9000億円と低水準。9月物が8470円(40円安)とあって底入れ感が出ない。ランキングを見ても上り下り薄商いで物足りない。2日連続安の■■■(****)が切り返した程度。紹介した大証2部の■■■■(****)が値上がり上位16位に顔を出した。■■■■■■■■(****)が73位で614円の引け。商いも224万株に増加した。■■■■(****)もボトムゾーン。1日200万株以上になると反転が近い。■■■■■■■(****)は出番待ち。治療用抗体が三つ導出対象となり、大手医薬品メーカーが名乗りを上げる見込み。■■■(****)とも関係があるだけに今年、来年2年がかりだ。期待にこたえるのが■■■■(****)の足取り。公募価格(2100円)からさほど上がっていないだけに、自社株買い、増配、新薬など展開力に見どころ。商売上手で懐が深いのも取り柄だ。いずれにしても半年、1年持ちこたえ、逆回転が収まるのを待つ場面。徐々に日本が主導権を握りつつある(了凡)