証券ビュー

アンコール伊勢町

売り材料揃い時間稼ぎ このままいくとデフォルト (2011.07.10)

 時間稼ぎの夏相場。売りたい強気と買いたい弱気が共存している。世界的な景気減速を株高で埋め合わせ。米欧が資金繰りに追われているためだ。FRBとECBのマジックとみられ、日本にも波及してきた。外資は6月第5週、4週ぶり2515億円買い越し。7月もふえる見込みだ。8日のSQ値1万0225円。3月11日の1万0286円と肩を並べる水準。煽りがきくところにきている。ちなみに、8日の米雇用統計発表。民間が先行し堅調というが、毎月全米で10万から20万人レベル。08年のリーマンショックから10年まで800万人以上失業者が急増しており些細なもの。保険打ち切りで飢え死にしかねない人が山のようにいるという。最近雇用改善が伝えられ、7月からインフレ抑制を理由に追加緩和をやめたFRB。中国と日本が米国債を敬遠すると買い手がつかず、連邦債務上限引き上げもストップ。このままいくと、8月2日以降デフォルトせざるを得ない。そこに「大事件」の起きる余地がある。大番狂わせといわれるもので、共和党のある候補は次期ヒラリーを念頭にFRB廃止、金本位制復活を力説。誰が政権をとってもクラッシュの一歩手前、ハードランディングになりそうだ。最大の理由は、米国社会で誠実な努力が報われなくなったこと。くみやすい日本に対し無理難題吹っかけ、さんざん資金を取り込む一方、米業界トップを甘やかしたツケも大きいという。現大統領は56兆円の国防費を12年で32兆円削る意向を表明した。米国は戦争に駆られても資金調達が困難になっている。欧州も同じ穴の貉。ユーロ破綻も時間の問題。IMF拠出は3年が期限で、昨年5月ギリシャを口火に13年まで。アイルランドも手がつけられない状態でポルトガルと3国累卵の危機。そもそもIMFが資金難に陥っている。つまり、米欧は7月から借金地獄にはまり、まともな暮らしができなくなる。一方、中国も5日に5回目の利上げを発表し預金金利3.50%、貸出金利6.56%に上昇。当局が北京の不動産物件を行政指導で半値にした経緯も伝えられた。バブル崩壊、不良債権続出の気配。売り材料が揃ってきた。ところが、国内は超低金利のうえ、復興投資25兆円、消費税引き上げに伴う駆け込み需要も予想され、住宅や不動産、自動車など値の張るものに打診買い。デフレギャップは特需25兆円で吸収できる見通し。かくて、7~9月欧州没落、中国転覆、日本復活の前哨戦。売りたい強気と買いたい弱気が我慢くらべ。後者の場合、買ったら負けとみられる。■■■(****)2280円、■■■■■(****)15500円が目安。どんな事態になっても、慌てず騒がず、取り乱すことなく進むことだ。

 日経平均は66円高。半信半疑のうちに1万0137円の引け。なお上値を残している。出来高17億8400万株、売買代金1兆2600万円。資本財は機械や装置、中間財が電子部品や新素材のことだが、■■(****)や■■■(****)、■■■(****)に■■■■(****)、■■■(****)、■■■■(****)など飛ばすまで相場。■■■■(****)は6日3980円を安値に反発。15日の決算発表待ち。活況な模様で好決算に違いない。現在、日本がM9.0の大地震、大津波、原発事故にもちこたえ、揺り戻しに備えている事も事実。はっきりしたのは、政府や官僚、東電など責任ある立場の人間がいかに無能かさらけ出したことだ。(了凡)